5G対応スマホは2019年には登場する
クアルコムは、12月4日から6日(現地時間)に渡り、米ハワイ州で「Snapdragon Tech Summit」を開催する。初日にあたる4日の基調講演には、同社のクリスティアーノ・アモン氏が登壇。Snapdragonの最新モデルとなる「Snapdragon 855」や、このチップセットに採用される5Gソリューションを解説した。また、ゲストとしてサムスン電子アメリカの上級副社長、ジャスティン・デニソン氏が招かれ、「2019年前半に5G対応スマートフォンを米国で発売する」と明かした。
Snapdragon 855は4Gに対応したチップセットだが、5Gモデムの「Snapdragon X50 5G」と組み合わせることで、5Gに対応する。Snapdragon 855を発表したクアルコム・テクノロジーズの上級副社長、アレックス・カトウジアン氏は、「5Gがここにある」と語り、チップセットを披露。「小さなドラゴンではなく、最高のSnap“dragon”だ」と語りながら、そのパフォーマンスを紹介した。
Snapdragon 845よりも3倍向上した処理能力
同氏によると、Snapdragon 855はCPU、GPU、DSPを活用し、AIの処理能力がSnapdragon 845よりもトータルで3倍向上しているという。ISPに物体やシーン認識といったAIの機能を持たせているのも特徴だ。製造プロセスは7nm。「最近発表された7nmのAndroid用チップで競合しているメーカーの製品と比べ、性能は2倍になる」(同)と胸を張った。メーカー名は伏せられていたが、ファーウェイ傘下のHiSiliconが開発した「Kirin 980」を意識した発言と見られる。
また、Snapdragon 855は、超音波センサーを使った指紋センサーに対応。ディスプレーの下に埋め込む形になるため、指紋センサーを表面に露出させておく必要がなくなり、そのぶん、ベゼルのスペースを圧縮できる。指紋は3Dスキャンを行ない、「世界でもっともセキュアな認証方式」(同)になるという。