ジェットエンジンのフィンをヒントに開発された専用ファンを搭載
RTX 2080 Ti搭載Palit製ビデオカードは冷却や電源周りにこだわりを感じる
2018年11月09日 07時00分更新
GTXからRTXに、ゲーミングシーンでお馴染みのGeForceはステップした。そろそろパソコンの更新を考えているのであれば、価格からGTXなGeForceを選んでしまいがちだが、先を考えるとRTXシリーズであるほうがなにかと都合がいい。もっぱらリアルタイムレイトレーシングへの対応が注目されがちだが、それ抜きでもGPUコアの世代更新もあって基礎体力は高くなっている。
今回は、「PARIT GeForce RTX 2080 Ti GamingPro OC」をチェックしていく。サードウェーブのゲーミングPCに採用されていることもあり、単品で購入するだけでなく、サードウェーブのBTOからスペックを検討するときの参考にもなるだろう。
リアルレイトレーシングについては、KTUこと加藤 勝明氏による、ねっとりたっぷりな解説ペーシがあるので、そちらを参照してほしい。
PALIT製のGeForce RTX 2080 Tiには3種類ある。PALIT GeForce RTX 2080 Ti GamingPro OC、「PALIT GeForce RTX 2080 Ti GamingPro」、「PALIT GeForce RTX 2080 Ti Dual」の3つで、主にブーストクロックに違いがある。よりタフなゲーミングを求めるのであれば、ブーストクロック1650MHzのGeForce RTX 2080 Ti GamingPro OCになるが、とりあえずは基本モデルに相当するGeForce RTX 2080 Ti Dualから検討していくといいだろう。こちらのブーストクロックは1545MHzだ。
ブーストクロックが異なるため、RTX-OPSにも差が生まれている。GeForce RTX 2080 Ti GamingPro OCが78T、GeForce RTX 2080 Ti GamingProが77T、GeForce RTX 2080 Ti Dualが76T。現状ではクリティカルな差ともいえないため、レイトレが気になるのであれば、1番上のモデルといった考えてでいいだろう。またGeForce RTX 2080 Ti GamingPro OCのみ、NIVIDIA SHIELDデバイス向けのNVIDIA GameStream テクノロジーに対応する。
見た目は2.5スロットを消費する、巨大なビデオカードだ。およそ幅292x奥行112x高さ58mmとなっており、基本的にはミドルタワー以上のケースが前提になるだろう。なお、BTOパソコンの場合はそれを込みでケースが選ばれているため、細かく考える必要はない。
冷却をみてみると、9cm×9cmのファン2基がある。ジェットエンジンのフィンをヒントに開発された専用ファンを搭載しており、ファンのある面から吸気する仕様だ。ヒートシンクは銅を採用しており、側面からは太めのヒートパイプも確認できる。また電源部分は外観から確認するのは難しいのだが、サーバーやハイエンドゲーミングマザーボードでお馴染みの「DrMOS」を採用しており、大容量電源に対しての安定化を狙っているのもポイント。
最高設定+4Kといった環境では、電源部も重要になるため、冷却だけでなく、電源周りにも手を加えているのは評価すべき部分になる。なお推奨システム電力は650W、補助電源は8ピン×2。
インターフェースは、HDMI 2.0b出力、DisplayPort 1.4出力×3に加えて、USB Type-C Gen2がある。USB PD(最大35W)までに対応しており、VRデバイスの接続やディスプレーへの接続を想定しているようだ。当然だが、スマホの充電もOKである。
次回はゲームやベンチマークなどでGeForce RTX 2080 Ti GamingPro OCの性能をチェックしていく。
試用機の主なスペック | |
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製品名 | GeForce RTX 2080 Ti GamingPro OC |
チップ | GeForce RTX 2080 Ti |
接続 | PCI Express×16 |
メモリー | 11GB GDDR6 |
コアクロック | 1650MHz |
外部出力 | HDMI 2.0b、DisplayPort1.4×3、USB Typr-C端子 |
冷却 | 空冷ファン、3スロット占有 |
補助電源の有無 | 8ピン×2 |
サイズ | およそ幅292×奥行112×高さ58mm |