米国航空宇宙局(NASA)はケプラー宇宙望遠鏡の引退を決断した。ケプラーは9年間の活動期間中、太陽系外に2600個以上の惑星を見つけた。
ケプラーがついに燃料切れとなった。NASAは退役を決め、ケプラーは太陽周回軌道を回り続けることになる。NASAの技術者らは夏のはじめごろに燃料が非常に少なくなっていることを把握し、最後のデータを引き出していた。
ケプラーはNASA初の惑星探査ミッションだったが、非常に大きな成果を納めた。これまで、銀河系で2662個の太陽系外惑星を発見している。現在も分析中のデータは、さらに数十億個の(惑星の)存在を示唆しており、その多くの惑星が生命を内包している可能性がある。また、銀河系の惑星の多様性も明らかとなった。ケプラーが発見した惑星で最も標準的な大きさは私たちの太陽系には見られないもので、海王星と地球の中間くらいだ。科学者たちは今後10年をかけて、ケプラーが提供したデータの宝庫から新たな発見をしていくだろう。
2009年、ケプラーは6年間の活動に十分な燃料を搭載して打ち上げられたが、9年間活動できた。当時最大の宇宙空間用デジタル・カメラや、星の明るさを測定する最新技術など、機体には先端技術が詰まっていた。
現在、太陽系外で惑星を探すミッションがいくつか進行している。そのうちの1つ、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は数回の延期を経て、2021年に打ち上げられる予定だ。NASAの最新惑星探査機であるトランジット系外惑星探索衛星は4月に打ち上げられ、惑星とみられる存在をすでに2つ発見している。