スマホアプリの新しい常識はカーナビとの融合
2016年の交通違反検挙件数の3位は「携帯電話使用違反」(通話や画面注視)、つまり「ながらスマホ」。また、これよる交通事故が年間1,999件(死亡事故27件)も発生している。そのため「ながらスマホ」については、道路交通法の改正によって罰則が強化される見通しだ。一方で、違法であり危険であると分かっていても、運転中にスマートフォンを使いたいというニーズがあるのもまた確か。こうした状況を解決するのが、SDL(スマートデバイスリンク)だ。
SDLとは、四輪・二輪とスマートフォンを連携させるオープンソースの国際標準規格。具体的には、iPhone・Androidアプリを「SDL対応のカーナビ」といった車載機を通じて、運転中でも安全に使えるようにするというもの(対応車載機は来年から本格的に登場)。このSDLに対応するアプリを広く募集する、「クルマとスマホがつながる SDLアプリコンテスト」が、10月3日から開催されている。
主催は、SDLアプリコンテスト実行委員会。SDLアプリコンテスト実行委員会。自動車メーカー10社(トヨタ自動車、日産自動車、マツダ、SUBARU、ダイハツ工業、三菱自動車工業、スズキ、ヤマハ発動機、川崎重工業、いすゞ自動車)ほかで構成される、SDLの普及を目的とした団体「SDLコンソーシアム日本分科会」が協力している。いわば、日本のクルマとスマートフォンの関係のこれからを考えるコンテストといえる。
SDLを使えば、対応のカーナビなど、車載機を経由して、スマートフォンの位置情報や音楽データを利用したり、SNSにアクセスしたりできる。つまり、クルマの中で合法的かつ安全に、普段使っているスマホの操作ができるわけだ。
また、エンジンの回転数や車速、ドアの状態など、クルマの状態をスマートフォンアプリで取得することも可能(車速等のクルマ側のデータの使用には、自動車メーカー各社の許諾が必要)。これによって、いままでのスマートフォンアプリでは実現できなかった可能性も広がりそうだ。
アプリ開発者や既存アプリの事業者から、広く対応アプリを募集
コンテストでは、AndroidまたはiOSでの、対応アプリの新規開発、およびすでに提供中の自社アプリからSDLのAPIを呼び出す事例を広く募集する。
「運転中に○○できたら」「スマホの○○をカーナビから使えたら」といった、実際のクルマやバイクではできない、スマートフォン利用の課題に応えるアプリだ。応募は、個人、グループ、企業、学校など問わない。すぐれたアプリの開発者には、グランプリとして賞金50万円と副賞を贈呈する。賞金総額は100万円となっている。
ダッシュボードに組み込めるSDL開発キット(車載機)を販売、実際にテストが可能
開発したアプリは、10月中に発売される開発キット(アスキーストア http://ascii-store.jp/にて価格4万円弱を予定)を実際に車に組み込んで、実情に即した形でテストすることが可能。
なお、開発キットを持っていなくても、コンテストには応募可能。エミュレーター(無償)の上で動作している状況を撮影した動画と、説明資料・プログラム本体があればいい。開発キットの購入は必須ではなく、また審査にも影響しないとしている。
大学・高専などに、SDL開発キット(車載機)を無償提供のプログラムを用意
また、コンテストに応募したい大学や高専など学校関係者向けに、SDL開発キット(車載機)を無償配布するプログラムも用意されている(詳しくはコンテスト実行委員会に問い合わせのこと)。
なお、SDLに関してより詳しい情報は、「スマホの安全利用をはかる仕組み/車・バイクとスマホを連携させるSDL規格の基礎知識」をご覧ください。SDLコンソーシアム公式の技術資料は、以下となります。
技術資料:https://www.smartdevicelink.com/docs/
開発キット等:https://www.smartdevicelink.com/resources/
【コンテストの開催概要】
■名称:クルマとスマホがつながる SDLアプリコンテスト
■主催:SDLアプリコンテスト実行委員会
(事務局:角川アスキー総合研究所)
■協力:SDLコンソーシアム日本分科会
■募集内容:SDLを利用したAndroid、またはiOSアプリ
■応募期間:2018年10月3日(水)〜2019年1月31日(木)
■応募方法:コンテスト専用サイトにて( http://sdl-contest.com/ )
※応募には、下記を提出してください。
(1)応募作品の動きがわかる動画および画像
(2)作品内容の説明資料(PDF)
■受賞発表:
・事務局による事前審査の結果発表は2019年3月上旬を予定しています。
・最終審査会を兼ねた受賞発表・表彰式は2019年2月末に予定しています。
・事前審査通過者は、最終審査会でプレゼンテーションをしていただきます。
■賞・賞金等:グランプリ 賞金50万円+副賞
特別賞 賞金10万円×5本