仕事に差がつく!阿久津良和「Office 365のスゴ技」 第46回
Ignite 2018特別号外、Office 365の新発表まとめ
スマホで撮影した表をExcelワークブックに自動取り込み、Excelに多数のAI新機能
2018年09月25日 13時00分更新
本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。
Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回は番外編としてMicrosoftが2018年9月24日(米国時間)から開催中の「Ignite 2018」で明らかになったOffice 365関連の新発表を紹介する。
Office 2019提供開始
最初に取り上げるべきはOffice 2019の正式リリースだろう。Office 365の月次チャネルや半期チャネルの更新を選択する企業には直接関係ないが、メジャーアップデートに合わせて社内環境を更新する企業には大きなターニングポイントとなる。2015年9月にリリースしたOffice 2016から数えて3年分の機能から一部が適用され、Office 2016と同様に将来的な機能の更新はない。
「AI + Excel」を実現する新機能群
さて、Office 365のアプリケーションに目を向けると、今回のIgniteでは革新的な新機能を多く投入してきた。その1つがExcelのAI機能だ。「Idea」と呼ばれるエンジンを右ペインに呼び出すと、データに即したグラフを提示し、日々の作業を時間短縮することを目的としている。例えば、他のアイテムよりも大幅に大きいアイテムをランク付けして強調する「Rank」、合計の過半数が単一要因に起因するケースを検出した際は「Majority」といったグラフを提示する仕組みだ。なお、Microsoftの説明によれば、PowerPointにもIdeaエンジンを搭載するらしい。
さらに、Excelのワークブック内で株価データと地理情報を取得し、データ分析に地理情報を織り込むことができるようになった。分析や推論といったデータアナリティクスの作業がExcel上で便利になる。そのほか、UNIQUEなどの関数を用いて選択した配列から新たなセルに情報を挿入するダイナミックアレイの機能追加、大規模なデータセットで動作するVLOOKUPやHLOOKUP、MATCH関数の処理速度を数秒に短縮したことなどが発表されている。
Android版Excelの新機能として、撮影した表を画像認識AIでワークブックに取り込むInsert Data from Picture機能も今後加わる。
LinkedInの連携強化、Microsoft Searchの多角的展開も
既にOffice 365とLinkedInアカウントの接続機能は提供済みだが、新たな機能としてWord、Excel、PowerPointの共同作業や、Outlook経由のメール送信をLinkedIn経由で利用することが可能になった。Microsoftは公式ブログで「社内ディレクトリとLinkedInネットワークの統合で、組織内外の成功に役立つ連絡先を失うことがなくなる」と述べている。
Microsoft Teamsにはビデオ会議時に背景をぼかす機能や、ビデオ会議の録画、PolycomやBlueJeans、PexipといったCVI(クラウドビデオ相互運用性)連携が今後備わる予定だ。背景をぼかす機能は顔検出技術を使用し、ビデオ会議の録画にはSpeech to Text APIを使用してテキスト変換を同時に行う。
興味深いのはMicrosoft Searchの存在である。Microsoft Graphを用いた本機能はBingおよびOffice.com、モバイル版SharePointアプリケーションの検索ボックスから、アプリケーションやファイル、人物、サイトなどMicrosoft 365の内外の組織データを検索するというもの。本機能はモバイル版Outlookにも提供し、2019年前半にはOffice 365の各アプリケーションや、Windows 10にも展開する。
なお、Microsoftが2018年8月30日に発表した個人向けOffice 365のインストール可能なデバイスの無制限化だが、日本マイクロソフトは日本市場でも同様の施策を2018年10月2日より開始することを公式ブログで明らかにした。
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