SIMロックはどうなるか?
しかし問題もあります。それはSIMロックです。SIMロックは通常、購入したキャリアのSIMカードしか受け付けない状態を指します。これはeSIMでも同様で、SIMロックされているデバイスを使う場合、eSIMでもそのキャリアに制限されることになります。
そのため、eSIMを含めたデュアルSIMを最大限に生かすには、Apple StoreなどでSIMフリーモデルを手に入れるか、キャリアでSIMロック解除をしてもらわなければならなくなります。この点には注意が必要、といえるでしょう。
ちなみに、中国向けのiPhone XS/iPhone XS Max/iPhone XRでは、eSIMが利用できません。その代わりiPhone XS MaxとiPhone XRの6インチ以上のディスプレイを持つモデルでは、SIMトレイに上下2枚のSIMを載せることができる仕様で販売されるそうです。
契約者の特定が難しくなるとして中国当局はeSIMを排除しており、Apple Watchのセルラーモデルも中国では利用できません。ここ最近、サーバの中国国内への設置や、AIDS撲滅キャンペーンなど政治色を含む製品の色名変更など、中国市場に対して配慮が見られるApple。またしても中国への特別な対処が発覚しました。
それだけAppleにとって、中国が重要だと言うことの裏返しでもあります。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
この連載の記事
-
第264回
スマホ
ライドシェアにシェアバイク、これからの都市交通に必要な真の乗り換え案内アプリとは? -
第263回
スマホ
Amazonが買収したスーパーマーケットで生じた変化 -
第262回
スマホ
日産「はたらくクルマ」でみたテクノロジーでの働き方改革 -
第261回
スマホ
WWDC19で感じたのは、体験をもとにアップルがサービスの整理整頓を進めているということ -
第260回
スマホ
LoTで、いかにして世界から探し物をゼロにできるか?:Tile CEOインタビュー -
第259回
スマホ
ファーウェイ問題で感じたテクノロジーと国家対立の憂鬱 -
第258回
スマホ
スマホでの注文が米国でのスタバの役割を変えた -
第257回
スマホ
10連休に試したい、ゆるやかなデジタルデトックス -
第256回
スマホ
人によって反応が異なるドコモの新料金プラン -
第255回
スマホ
「平成」と「令和」 新元号発表の瞬間の違い -
第254回
スマホ
Adobe Summitで語られたAdobe自身のビジネスや開発体制の変化 - この連載の一覧へ