フェイスブックのシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)とツイッターのジャック・ドーシーCEO(最高経営責任者)は9月5日、ワシントンD.C.でともに証言台に立った。今年4月にフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOが出席したときよりもいくらか穏やかな議員を前に、両者は証言した。
サンドバーグCOOとドーシーCEOに挟まれた空席が、もう1つの巨大テック企業の不在を際立たせた。グーグルが公聴会を欠席したため、同社が中心となって話し合われるはずだった独占禁止法違反についての議論は、当初の見込みよりもだいぶ軽いものとなった。
ドーシーCEOの証言は(立ち襟のシャツを着ていた割に)、議会慣れしているサンドバーグCOOほどには上手くいかなかった。 洗練を欠いていたのは、おそらく自らの冒頭証言をツイートしながら読み上げたせいだろう。この判断のために、議会で証言している大半の人よりも自分の携帯にばかり注意を向けているような印象になってしまった。
公聴会では上院議員らが、「いずれ規制を課すことになる」とテック企業幹部に向けて何度も明言した。だが、その手段はまだはっきりしていない。選挙関連の規制から個人のプライバシー保護のための制限まで、さまざまな可能性が示された。個人のプライバシー保護が国家安全保障上の優先課題であることについては、サンドバーグCOOもドーシーCEOも同意した。
議題が外国による内政干渉に移ると、上院議員らは姿勢を軟化させ、それまでの批判を中断。2016年の大統領選以降、フェイスブックとツイッターの両社がサービスを大きく改善してきたことを評価した。
一方、政治的偏向についての議論では、ドーシーCEOに非難が浴びせられた。共和党議員らはドーシーCEOに対し、反保守的な検閲行為の疑いについて説明するよう要求したが、民主党議員らが「ありもしない問題をでっち上げ、共和党への支持を集めようとしている」として批判し、助け舟を出した。
この公聴会の開催中、ウォール街ではテック企業の株価が下がり、ツイッター株は6%も下落した。
午前中の上院委員会公聴会の後、ジェフ・セッションズ米司法長官は、 テック企業らが「 競争を妨げたり、各社プラットフォームでの自由な意見交換を意図的に抑圧したりしているとの懸念について協議する」ため、州検事総長らと協議するとの声明を発表した。