つぎにPCのトータルパフォーマンスを計測する「PCMark 10 v1.1.1739」の結果を見てみましょう。こちらは「Threadripper 1950X」搭載PCは「Core i7-8086K」搭載PCに比べて、Totalスコアーで0.82倍と苦戦しています。
PCMark 10 v1.1.1739
Threadripper 1950X | Core i7-8086K | |
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Total | 5200 | 6325 |
Essentials | 8456 | 9517 |
App Start-up Score | 9598 | 11466 |
Video Conferencing Score | 8603 | 8376 |
Web Browsing Score | 7325 | 8976 |
Productivity | 6707 | 8177 |
Spreadsheets Score | 9243 | 9925 |
Writing Score | 4867 | 6738 |
Digital Conternt Creation | 6730 | 8824 |
Photo Editing Score | 9231 | 9527 |
Rendering and Visualiziation Score | 10448 | 11913 |
Video Editing Score | 3161 | 6054 |
これは言うまでもなく「Ryzen Threadripper 1950X」搭載PCが「Radeon RX 580」、「Core i7-8086K」搭載PCが「NVIDIA GeForce GTX 1080」をグラフィックスボードとして搭載しているための差が大きいでしょう。ところが、つぎのクリエイティブ系アプリのベンチマークでは「Ryzen Threadripper 1950X」搭載PCが好成績を叩き出しています。
「Ryzen Threadripper 1950X」搭載PCと「Core i7-8086K」搭載PCのクリエイティブ系アプリの実測処理時間の差は、「Adobe Lightroom Classic CC」で42%、「Adobe Premiere Pro CC」で30%の処理時間短縮を記録しています。PCMark10のPhoto Editing Scoreでは、「Ryzen Threadripper 1950X」は「Core i7-8086K」に負けていますが、実際のアプリでは圧倒的な性能差を見せています。この結果を鑑みれば、グラフィックスカードの価格差を跳ね返すほどのパフォーマンスを「Ryzen Threadripper 1950X」が備えていると言えるでしょう。
Adobe Lightroom Classic CC
Threadripper 1950X | Core i7-8086K | |
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100枚のRAW画像を現像(カラー-自然) | 2分40秒45 | 4分35秒81 |
Adobe Premiere Pro CC
Threadripper 1950X | Core i7-8086K | |
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5分の4K動画を書き出し(H.264) | 4分37秒81 | 6分38秒59 |
Ryzen Threadripperシリーズには第2世代の「Ryzen Threadripper 2990WX」(23万2000円前後、32コア64スレッド)、「Ryzen Threadripper 2950X」(11万6000円前後、16コア32スレッド)がリリースされていますが、「Ryzen Threadripper 1950X」との価格差は前者が12万9000円、後者が1万3000円と大きく開いています。
加藤勝明氏のASCII.jpの記事「32コア64スレッドは乗りこなせるか? 第2世代「Ryzen Threadripper」を速攻で試す」によれば、「Threadripper 2950X」と「Threadripper 1950X」の「CINEBENCH R15」のCPUスコア差は1.14倍に留まっています。
「Threadripper 2950X」はシングルスレッドの性能が向上していますが、クリエイティブ系アプリはマルチコアの性能を活かせることが多いので、この価格差を考慮すれば「Ryzen Threadripper 1950X」がクリエイター向けCPUとしてコスパ抜群と言えるでしょう。