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1000人に毎月1000ドル給付、Yコンビネーターの壮大なBI実験

2018年08月31日 11時55分更新

文● Erin Winick

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テック・インキュベーターのYコンビネーター(Y Combinator)が、2019年にようやく、本格的なベーシックインカム実験を開始する運びとなった。

2019年初めから半ばの間に開始されるYコンビネーターの 「メイク・エンズ・ミート(Making Ends Meet=やりくり) 」プログラムでは、2つの州の参加者3000人に対し、無条件で現金が支給される予定だ(どの州で実施するかを検討中で、9月に最終決定を下す予定)。  Yコンビネーターは研究のため、ミシガン大学社会調査研究所「サーベイ・リサーチ・センター(Survey Research Center)」とすでに契約済み。

実験全体にかかる費用は6000万ドルにも上り、そのうちの75%が参加者の懐に直接入ることになる。1000人が毎月1000ドルを給付金として受け取り、対照群となる2000人が毎月50ドルを受け取る。3年間の試験と5年間の試験の両方が実施される予定だ。

Yコンビネーターが先行して実施したオークランドでの実験は、もともと予想していたよりもはるかに時間が掛かった。現在は来月末までに30人から40人の被験者を確保することを目指しており、当初の目標数だった100人をかなり下回っている。

カナダフィンランドで鳴り物入りで始まった2つの大規模実験は、予定より早く終わる模様だ。Yコンビネーター・リサーチ(YC Research)のプロジェクト総括責任者エリザベス・ローデスは、「人々にお金を渡すことは想像以上に難しいです」とワイアード(Wired)に語っている。

自動化によって削減されていく雇用に社会はどのように対処すべきかという問いに対し、シリコンバレーがもっとも注目している答えがベーシック・インカムであり、2020年の大統領選挙における争点にまでなっている。実験に苦戦しながらも、Yコンビネーターのサム・アルトマン社長は、ベーシックインカムが解決策となることを依然として信じている

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