来年はSamsungを超えて世界トップに立てるか?
その前に“生き残る”が創業者を含む、幹部の口ぐせ
さて、世界2位の座を手に入れたが、Huaweiが目指すのは世界1位だ。AndroidでトップとなりAppleと戦う、これがHuawei(Yu氏)の最終目標だろう。それには打倒Samsungが必須だが、AFP通信によるとYu氏は2019年末にSamsungを超えることができると語っているそうだ。
カメラはもちろん、AI、5Gなどの技術やスペックでの競争、デザイン、サービス、ブランドなど多面的な戦いになるだろう。特にサービスでは、Samsungは音楽、決済などAppleが持つサービスを揃えてきたが、それほど利用が進んでいるように見えない。Huaweiがここをどう考えているのかは興味深い。
懸念事項はほかにもある。今後、これまで以上に米国市場は弱みとなるだろう。世界最大の経済国である米国抜きでの世界1位は、名実とものトップと言えない(かつてのNokiaもそうだったように、この国で生まれるトレンドについていけない可能性がある)。
Huaweiの創業者である任正非氏は、欧州研究所のスタッフとの対話の中で、米中関係について、貿易でお互いが依存していることから激しい衝突はないだろうとの見解を示している。米国については「米国との差は50~60年かかっても埋められない」とし、「我々は生き残るところまでその差を縮める必要がある」と謙虚なコメントをしている。
この“生き残る”とは、Huaweiの誰もが口にする言葉で、これこそがHuaweiの強み(怖さ)だろう。Huaweiの粘り強さで米国の扉をこじ開けることができるのかはわからないが、頂点を目指すHuaweiがどんな端末を用意するのかは興味深い。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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