米AMDは8月13日(現地時間)、ワークステーション向けビデオカード「AMD Radeon Pro WX 8200」を発表した。価格は999米ドル。Neweggで予約でき、9月上旬に店頭販売を開始する予定。
AMD Radeon Pro WX 8200は設計や製造、メディア、エンターテインメント、建築、エンジニアリング、建設を含む幅広い分野の、あらゆる製品開発の段階において理想的なビデオカードとのこと。
メモリーシステムは、従来のGPUメモリーに伴う容量制限を撤廃。大規模かつ細かいモデルを扱えるようになったという。
「Vega」GPUアーキテクチャーのピクセル・エンジンは、関連する作業をGPUのローカルキャッシュ内にバッチ化し、同時に処理することにより、効率の向上を実現。GPUの制約に煩わされず、さらに複雑な世界を構築できるようになったとのこと。また、「Shade Once」テクノロジーは、最終的なシーン内で表示されるピクセルのみに対しシェーディングを実行する。
Error Correcting Codeメモリーにより、自然界に存在する環境放射線によって生じる1ビットまたは2ビットのエラーも補正するとのこと。
GPU内で仮想的にセキュリティーの確保された空間を作り出す、「AMD Secure Processor」も搭載。IP関連の作業をAMD Secure Processor上で実行し、機密保持が必要なデータやアプリケーションの処理やストレージを保護するという。ユーザー・インターフェースやサービス・プロバイダーのアセットなど、重要なリソースの完全性と機密性も確保するとしている。
「Radeon ProRender」の新プラグインやラボの設立
同社は物理ベースのレンダリングエンジン「Radeon ProRender」の新しいプラグインも発表。デザイナーやエンジニアが優れたレンダリングを迅速、容易に実行できるPTC Creoのベータ版を配布。アプリケーションのUSD Hydraビューポートを構築するデベロッパー向けに、GitHubの新しいUSDプラグインを追加し、パストレーシング機能によるビューポートでの正確なプレビューを提供するとのこと。
また同社は、Vancouver Film Schoolとの提携により、バンクーバーのプロフェッショナルVFXコミュニティー向けのラボ「AMD Creators Lab」を新設したことも発表。
AMD Creators Labは、ダウンタウンのキャンパス内に設立し、バンクーバーのデジタル・プロダクションとデベロッパーハブに隣接している。施設では学生やアーティスト、コンピューター・グラフィックスのプロフェッショナルが、業界をリードする最新技術を活用して発見と創造をするオープンな作業空間を提供するとしている。
AMDベースの強力なワークステーションも用意し、ローディングやレンダリングの時間を短縮。学生やプロフェッショナルの野心的なビジョンの追求や、技術的な制約にとどまらない創造性を支援するという。