お手軽オーバークロックで5GHz突破にチャレンジしてみました
8086K搭載BTOならベストバイ!? 静音PC「Silent-Master」の実力
2018年06月29日 17時00分更新
高速グラボを搭載すれば静音ゲーミングPCとしても大活躍
Core i7-8086Kを搭載しているということで、思わずCPUのオーバークロック(それも5.2GHzという無茶)まで試してしまったが、オーバークロック時の動作でもしっかりと静音仕様だというのがわかる低騒音となっていたのが印象的だ。ただ静かなだけでいいならCPUはもっと遅くていいが、最高クラスの性能を備えながら、さらに静かな構成にできるというのが「Silent-Master Pro Z370」の魅力だろう。
高速CPUを搭載しているとなると気になるのが、ゲーミング性能。今回試用した構成ではグラボにGeForce GTX 1080を採用したASUS「STRIX-GTX1080-A8G-GAMING」が搭載されていたので、これを使ったゲーミング性能をチェックしてみよう。ちなみにこのグラボ、若干オーバークロック気味の動作となっているだけでなく、負荷が低いときは自動でファンが止まるセミファンレス仕様となっている。高性能静音仕様PCにピッタリなパーツだといえるだろう。
2つのFFベンチで実力チェック 高スコアを叩き出す文句なしのゲーミング性能
グラフィックの性能を測るゲーミングベンチとして、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」(FF14ベンチ)と「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(FF15ベンチ)の2種類を用意。FFシリーズというのは同じだが、前者が比較的軽いのに対し、後者はかなり重たいベンチマークとなっている。
まずはFF14ベンチの結果から見てみよう。軽めということもあり設定は、1920×1080、最高品質、フルスクリーンとしている。
Core i7-8700KとGeForce GTX 1080 Tiとを組み合わせた場合で19000を超えるあたりがスコアの目安となるため、いくらオーバークロック気味に動作するとはいえ、格下となるGeForce GTX 1080なので、さすがにそこまでスコアは伸びていない。とはいえ、スコアとしては非常に高いもので、実際のゲームでもまず困ることはないはずだ。
もうひとつ、今度は重めのベンチマークとしてFF15ベンチを試してみよう。こちらは重めということもあり、1920×1080、フルスクリーンという設定は同じだが、画質設定は標準品質、高品質の2つで試してみた。
標準品質では高いスコアが期待できると思っていただけに、まさに期待通り。ちなみにスコアが12000を超えると評価が「非常に快適」になってくれるだけに、あとちょっとスコアが伸びてくれれば……というのが悔しい部分だろうか。今回のベンチは標準設定のまま測っているので、適度にオーバークロックしてやれば、12000を超えるのも夢ではない。
高品質ではさらに動作が重たくなるため、スコアは8763と標準品質よりも下がっていた。とはいえ評価は「快適」となっており、ゲームプレイには十分なものだ。ちなみにこちらも、スコアが9000を超えていれば「とても快適」という評価になるだけに、なんとも惜しい。評価が変わっても性能が変わるわけではないので気にする必要はないのだが、もったいない気がしてしまった。
静音だけでなく冷却やメンテナンス性にもこだわったAntec「P100」
性能面だけでなく、機能面もチェックしていこう。「Silent-Master Pro Z370」の静音性を支えているのが、ケースにAntecの「P100」を採用していることがあげられる。このケースはフロントに大きな吸気口を備えているほか、フロントとサイドパネルの内側に吸音材を貼ることで音の反射を防いでいるのが特徴だ。とくにフロントの吸気口の前には着脱可能なフィルターを装備しており、ケース内部へほこりの侵入を防ぎ、そして掃除もしやすい構造になっている。
また、このフロントには静音性で定評あるNocutuaの14センチファン「NF-A14」を装備。背面の「NF-S12A」と合わせ、静かに、そして力強く風を送れるようこだわられている。
背面は一般的なケースと違い、排気口が多く作られているのが特徴だ。穴が多くなればそのぶん音漏れもしやすくなるのだが、場所が背面だけに、正面にいる人にはほとんど気にならない。こういった耳に届きにくい音漏れは防がないという割り切った仕様が、冷却性と静音性の両立に役立っているのだろう。
豊富なBTOメニューを用意 自分好みのスペックで静音PCを手に入れる!
サイコムのBTOパソコンのいいところは、豊富なパーツメニューから選んでPCを注文できるところにある。例えばメモリーならメジャーチップとCrucial製から選べたり、SSDなら同容量で複数メーカーが用意してあったりと、同じスペックでも複数の製品が用意されているのだ。スペックだけでなく、メーカーなど細かいところまでこだわれるのが、自作派にとってうれしいポイント。多くのモデルでいち早くCore i7-8086KをBTOメニューに追加できたのも、普段からこういったパーツ選定にこだわりがある証拠だろう。
今回は空冷CPUクーラー採用の静音PCだというのに、あえてオーバークロックにチャレンジしてみたが、この構成でも、Core i7-8086Kのポテンシャルがわかるくらいには性能が引き出せた。性能の高さはもちろんだが、静音性に優れているのが大前提だという人にとって、「Silent-Master Pro Z370」は選んで損のないBTOパソコンだといえるのではないだろうか。
(提供:サイコム)