AIカメラに19.5:9のワイドディスプレーを搭載
Googleアシスタントも一発呼び出し
LGエレクトロニクスは5月2日にニューヨーク、5月3日にソウルで新型スマートフォン「G7 ThinQ」「G7+ ThinQ」の発表会を行いました。ThinQを名前に付けた製品は2月の「MWC 2018」で発表された「V30S ThinQ」に次ぐ2モデル目。ThinQはLG開発のAIシステムの名前で、LGはスマートフォンへのAI融合を急速に進めています。
フラッグシップモデルにふさわしく、G7 ThinQはチップセットにSnapdragon 845を採用しています。メモリ構成はG7 ThinQがメモリー4GB+内蔵ストレージ64GB。G7+ ThinQが6GB+128GBという組み合わせ。なお、どちらもストレージは高速なUFS2.1となっています。またディスプレーは19.5:9と他社モデルよりもワイドサイズで、解像度は1440×3120ドット。サイズは約71.9×153.2×7.9mm、重さは約162gです。
本体カラーは韓国ではNew Aurora Black、New Moroccan Blue、Raspberry Roseの3色展開。グローバル向けにはこれらにNew Platinum Grayが加わった4色となります。 背面は鏡面仕上げで高い光沢感があります。
本体外周デザインはオーソドックスですが、新たな機能も加わっています。右側面には電源キー、左側面にはボリュームキーに加え、Googleアシスタントを一発で呼び出せるGoogleアシスタントキーが追加されました。
さて、G7 ThinQの最大の特徴はディスプレー上部のノッチ。ノッチ部分にはフロントカメラやスピーカー、センサーを備えています。昨年の「MWC 2017」でLGは世界初となる18:9のFullVision Displayを「G6」に搭載しましたが、後継モデルではさらにワイド化を進めました。しかし、前面上部いっぱいまでディスプレーを延ばしたため、ノッチが必要となってしまったのです。LGはこのノッチの左右部分を、必要な情報を配置する「セカンドスクリーン」と呼びますが、不要なユーザーはノッチ無しで利用することが可能というわけです。
そしてスマートフォンをAIアシスタント化するGoogleアシスタントキーは、G7 ThinQを利用中にキーを押すだけで即座に画面表示がGoogleアシスタントとなります。ポケットからG7 ThinQを取り出しながらすぐに音声で情報確認やスマートフォンの操作ができるというわけ。この操作に慣れるとアプリを起動する頻度が減っていくでしょう。
そして最も機能アップしたのがカメラです。G6の1300万画素F1.8+1300万画素F2.4、V30S ThinQの1600万画素F1.6+1300万画素F1.9から、G7 ThinQは1600万画素F1.6+1600万画素F1.9へ性能アップ。また暗所での撮影もより強くなっています。
AIによるシーン判別はV30S ThinQの8シーンから19シーンへと増え、より見栄えのいい美しい写真を手軽に撮影できます。
機能を大きく向上させたG7 ThinQですが、端末名にもある「ThinQ」ブランドがややわかりにくいものになっていると感じました。LGは現在、ThinQブランドでAI対応スマートホーム家電を世界展開しています。しかし、まだまだスマートホーム家電の販売数は伸びておらず、ThinQブランドは一般消費者に浸透していません。冒頭に書いたようにThinQはLGが開発したAI機能で、G7 ThinQもAIをアピールしたいのでしょう。ただ、その意味が消費者にどこまで伝わるかは未知数です。
業界初のワイドディスプレーを提唱したLGらしく、19.5:9まで広げた大きいディスプレーや、他社のフラッグシップモデルに負けない高性能なカメラ、そして高級感あふれる本体仕上げでまとめたG7 ThinQ。日本での展開が未定なのが残念ですが、グローバル市場で販売後にどのような評価を受けるのか、楽しみです。
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