Samsungの新M.2 SSD「SSD 970 PRO/EVO」はどれだけ性能が向上した?
Serial ATAポート経由で接続する「2.5インチ対応SSD」と比べ、読み出し速度や書き込み速度に優れ、ケーブルの接続が必要ないPCI Express接続の「M.2対応SSD」。
最近は2.5インチ対応SSDとの価格差が小さくなっており、システムストレージにM.2対応SSDを利用するユーザーがかなり増えてきた。
Samsungが4月25日に発表した「Samsung SSD 970 PRO」と「Samsung SSD 970 EVO」は、このM.2対応SSDの新製品だ。今回は、この最新モデルの性能を検証する。
両モデルともにTBWが従来の1.5倍に増えた
970 PROは、2016年12月に発売された「Samsung SSD 960 PRO」の後継モデルだ。970 EVOも、同じく12月に発売された「Samsung SSD 960 EVO」の後継モデルにあたる。
ラインナップと価格 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
製品 | 容量 | 型番 | 想定売価 | 発売日 | ||
970 PRO | 512GB | MZ-V7P512B/IT | 4万5000円 | 5月上旬 | ||
970 PRO | 1TB | MZ-V7P1T0B/IT | 8万6000円 | 5月上旬 | ||
970 EVO | 250GB | MZ-V7E250B/IT | 1万9000円 | 5月上旬 | ||
970 EVO | 500GB | MZ-V7E500B/IT | 3万2000円 | 5月上旬 | ||
970 EVO | 1TB | MZ-V7E1T0B/IT | 6万2000円 | 5月上旬 | ||
970 EVO | 2TB | MZ-V7E2T0B/IT | 11万3000円 | 5月上旬 |
970 PROと970 EVOでは、最新のコントローラー「Phoenix Controller」を採用する。全部で5コア構成、うち1コアをPCとコントローラーの通信専用に割り当てるという機能は、960 PRO/EVOシリーズに搭載する「Polaris Controller」と同じだ。ただし動作クロックは若干高くなっており、これが書き込み性能の向上に影響を与えているようだ。
もう1つの強化ポイントは「耐久性」だ。Windows 10などのOSをインストールするシステムストレージを選択する上で、耐久性を重視するユーザーは多い。最近では、OSをインストールして数年利用する程度で利用できなくなるようなSSDはほとんどないが、安心感があった方が購入しやすいのも確かだ。
耐久性を図る指標としては、「この容量までは問題なく書き込めることを保証する」という「TBW」(Total Byte Written)がある。TBWが100TBのSSDは、100TBの書き込みが終わるまでは書き込み保証されることになる。
前モデルの960 PROのTBWは、512GBモデルで400TBだった。しかし970 PROだと同じ512GBモデルで600TBとなり、1.5倍に伸びている。970 EVOの500GBモデルでは300TBであり、960 EVOの200TBに比べると、やはり1.5倍になった。
970 EVOでは、保証期間が5年(960 EVOは3年)と、970 PROと同等になったのも見逃せない。970 PROと970 EVOのスペックは、下の表で整理したとおりだ。
新モデルSamsung SSD 970 PROのスペック | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
512GB | 1TB | |||||
コントローラー | Samsung Phoenix Controller | |||||
シーケンシャルリード | 3500MB/秒 | |||||
シーケンシャルライト | 2300MB/秒 | 2700MB/秒 | ||||
ランダムリード(4KQD32) | 37万IOPS | 50万IOPS | ||||
ランダムライト(4KQD32) | 50万IOPS | |||||
ランダムリード(4KQD1) | 1万5000IOPS | |||||
ランダムライト(4KQD1) | 5万5000IOPS | |||||
キャッシュ容量 | 512MB | 1GB | ||||
MTBF(平均故障間隔) | 150万時間 | |||||
TBW(書き換え可能容量) | 600TBW | 1200TBW | ||||
製品保証 | 5年間 |
旧モデルSamsung SSD 960 PROのスペック | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
512GB | 1TB | 2TB | ||||
コントローラー | Samsung Polaris Controller | |||||
シーケンシャルリード | 3500MB/秒 | |||||
シーケンシャルライト | 2100MB/秒 | |||||
ランダムリード(4KQD32) | 33万IOPS | 44万IOPS | ||||
ランダムライト(4KQD32) | 33万IOPS | 36万IOPS | ||||
ランダムリード(4KQD1) | 1万4000IOPS | |||||
ランダムライト(4KQD1) | 5万IOPS | |||||
キャッシュ容量 | 512MB | 1GB | 2GB | |||
MTBF(平均故障間隔) | 150万時間 | |||||
TBW(書き換え可能容量) | 400TBW | 800TBW | 1200TBW | |||
製品保証 | 5年間 |
新モデルSamsung SSD 970 EVOのスペック | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
250GB | 500GB | 1TB | 2TB | |||
コントローラー | Samsung Phoenix Controller | |||||
シーケンシャルリード | 3400MB/秒 | 3500MB/秒 | ||||
シーケンシャルライト | 1500MB/秒 | 2300MB/秒 | 2500MB/秒 | |||
ランダムリード(4KQD32) | 20万IOPS | 37万IOPS | 50万IOPS | |||
ランダムライト(4KQD32) | 35万IOPS | 45万IOPS | 48万IOPS | |||
ランダムリード(4KQD1) | 1万5000IOPS | |||||
ランダムライト(4KQD1) | 5万IOPS | |||||
キャッシュ容量 | 512MB | 1GB | 2GB | |||
MTBF(平均故障間隔) | 150万時間 | |||||
TBW(書き換え可能容量) | 150TBW | 300TBW | 600TBW | 1200TBW | ||
製品保証 | 5年間 |
旧モデルSamsung SSD 960 EVOのスペック | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
250GB | 500GB | 1TB | ||||
コントローラー | Samsung Polaris Controller | |||||
シーケンシャルリード | 3200MB/秒 | |||||
シーケンシャルライト | 1500MB/秒 | 1800MB/秒 | 1900MB/秒 | |||
ランダムリード(4KQD32) | 33万IOPS | 38万IOPS | ||||
ランダムライト(4KQD32) | 33万IOPS | 36万IOPS | ||||
ランダムリード(4KQD1) | 1万4000IOPS | |||||
ランダムライト(4KQD1) | 5万IOPS | |||||
キャッシュ容量 | 512MB | 1GB | ||||
MTBF(平均故障間隔) | 150万時間 | |||||
TBW(書き換え可能容量) | 100TBW | 200TBW | 400TBW | |||
製品保証 | 3年間 |
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