実際の通信速度は十分!
さて、今回はメインルーターを含め4つの「Lyra mini」を使用し、筆者の自宅に設置してみた。2階建ての筆者宅は軽量鉄骨なため、壁の中にも金属が入っており、2階の床下はALC(軽量気泡コンクリート)板で覆われているため、木造住宅よりは電波が通りにくい構造だ。フレッツ光NEXTで支給されている無線LANルーター(ひかり電話モデム内蔵タイプ)では、家の隅々まで高速通信環境を構築するのは難しい。
そこで、2階に2ヵ所、1階に2ヵ所(2階にメインのルーターを設置)、Lyra miniを設置して実力をチェックしてみた。Lyra miniの設置場所が家の中心であれば、各フロアーに1台ずつでも問題ない電波強度を実現できるのかもしれないが、回線出口などの都合上、そう上手く設置できるという家庭ばかりではないはず。筆者宅も家を建てたときはWi-Fiがここまで発展するとは予想していなかったので、家の端のほうに光回線出口を設置してしまった。そんな場合も、Lyra miniであれば台数を増やすことでカバーしやすい。
ということで、まず各場所の速度を「Speedtest.net」で計測してみた。なお、計測したのは夕方で、サーバーや通信経路によって速度は違うのでご了承いただきたい。4箇所の場所は、「2F LivingRoom」が2F東端にあるメインルーター、「2F WorkingRoom」が2F西端にある仕事部屋で、距離にして9mほど。「1F Room」はメインルーターの真下あたり、距離にして3~4mぐらい。そして「1F BedRoom」がそこから7mぐらい離れたところとなっている。
結果としては、メインルーターからいちばん離れた1F BedRoomでも100Mbps前後を計測できた。メインルーターから14m程度は離れているので、単体ではこの速度はまずでない。ほかも、速度の劣化は最小限に抑えられていて、電波強度も強く、かなり快適だ。
次にベンチマークツール「iPerf3」を使用したベンチマークを実行。メインルーターに有線LAN接続のノートPC「VAIO S11」を接続してサーバーを起動し、「iPhone X」をクライアントとしてスループット計測している。メインルーター付近から比べると、おおよそ半分程度のスループットになるが、1Fでも100Mbpsは維持していた。1F寝室は70Mbpsと他に比べれば遅いように見えるものの、これだけの速度が出ていれば大体の用途で満足できるはずだ。
使っていて便利に感じたのは、SSIDが1つなので、移動してもシームレスに接続ルーターを切り替えられるところ。今回はベンチマークテストをしなければならないので、現在どのLyra miniと接続しているのか、その都度アプリで確認していたのだが、どうやら場所を移動した際、通信速度の出方によって、自動的に最適なLyra miniへ接続が切り替わるようだ。つねに最適な通信経路を、それと意識せず確保し続けられるのは、非常にありがたい。
また、今回はより過酷な環境でのテストも実施してみた。場所は、通常の家庭よりもはるかに多くの電波が飛び交うASCII.jp編集部のあるオフィスビルの1フロアー。計測機器は先ほどと同じで、「iPerf3」によるスループット計測をしている。結果は、メインルーター付近は200Mbpsほど、そのほかは100Mbps前後という結果に。編集部のフロアーはおよそ13m×35mほどあるが、メインルーターを真ん中寄りに置き、残り3つを均等に並べれば、フロア内すべてをカバーできる感じだ。ちなみに上のフロアにも設置を試みたが、スループットが40Mbps弱まで落ちたため、Lyra miniだけでのオフィスビルでのフロアーまたぎはちょっと厳しい印象。平面方向なら十分まかなえるし、どうしてもという場合は、よりハイパワーなルーターをメッシュネットワークに組み込んでみるといいだろう。
本製品は、単体で1万2800円、2個セットで2万2400円となっており、家の広さなどの状況に応じて導入個数を考えて購入できる。単体でパワフルなルーターもいいが、接続台数が分散されるメッシュネットワークの利点を考えると、これからはLyra miniを複数導入して構築していくのがオススメ。特に戸建てで2階、3階建てに住んでいる人は、導入すると自宅Wi-Fiを快適にできること間違いなしだ。
提供:ASUS