タイヤのマッチングが悪く
予選は1回目を通過できず!
2008年のシーズン途中からSUPER GTに参戦した「初音ミクGTプロジェクト」も、今年で参戦10周年(昨年は10シーズンだった)。最初の2~3年くらいは予選通過すらままならず、完走できれば御の字、1ポイントゲットで優勝したかのように喜んでいた。
2011年からチーム体制が大きく変わると、2017年までに3回もGT300クラスチャンピオンを成し遂げている。20年以上に及ぶSUPER GTの歴史の中でも10年間で3回のチャンピオンというのはなかなかない。初音ミクGTプロジェクトを展開するGOODSMILE RACINGは、10年経って今やすっかりGTの名門チームになった。
今年の目標は当然チャンピオンだが、これまで2回のチャンスがありながら逃してきた「2連覇」が大きな目標である。
SUPER GT 2018シーズン開幕の舞台は岡山国際サーキット。例年表彰台に上っているだけでなく、昨年はついに優勝を飾った相性の良いサーキットである。
天気予報が当たらないのもこのサーキットの特徴で、レースウィークは晴れの予報だったにもかかわらず、予選日、決勝日ともに雨が降ってチームスタッフを悩ませた。
予選日は晴れてはいたものの、気温は一桁と非常に寒く、路面温度も上昇しないため、練習走行でもなかなかタイムが上がらない。
予選1回目のとき、気温は9度、路面温度は15度と、持ち込んだタイヤの想定温度を大きく下回っており、苦戦を強いられてしまった。上位陣が1分25秒台を記録する中、0号車(グッドスマイル 初音ミク AMG)は「1分26秒316」がベストタイム。カットラインである14番手には留まっていたのでこのままなんとか通過できると思いきや、最後の最後にベストタイムを更新したライバルがおり、予選通過圏内からはじき出されてしまい、なんと予選2回目に行くことができなかった。
なお、ひとつ上の14位のタイムは「1分26秒307」。なんと0.009秒差だった……。非常に悔しいが、これもレース。
タイヤ2本交換で前に出るも
ライバルに追いつけず8位でゴール
予選の結果により、決勝レースは15番手からのスタート。予選日と同じく気温は低く、瞬間的に雪が舞うほどだった。それでも、決勝レース前には快晴で気温11度、路面温度22度と予選日よりは暖かくなった。
スタートドライバーを担当するのは片岡選手。この位置からのレースは久々だが、そこは序盤の混戦に強い片岡選手。1周目に1台抜いて14位でホームストレートに戻ってくる。周目に13位、15周目に12位、17周目には10位と徐々に順位を上げていき、ポイント圏内にたどり着く。しかし、ここからなかなか前が抜けず。ライバルたちと団子状態で数周に渡ってバトルが続いたが、27周目に早めのピットイン。
ドライバーは谷口選手へ、タイヤは左側の2本だけ交換して再びコースへ。アウトラップは15位までダウンしたが、40周目には10位に戻っていた。
55周目に8位まで上がったが、ここからレースは膠着する。前を走る88号車(マネパ ランボルギーニ GT3)とは、差は広がらないが縮まらないという状況。残念ながらオーバーテイクは叶わず、8位のままでレースは終了した。
15位という予選順位を考えれば、8位で3ポイントを獲得できたのは不幸中の幸いだが、ここ数年は岡山表彰台の常連だっただけに悔しい結果だった。とはいえ、チャンピオンシップはまだ初戦が終わっただけ。残り7戦もあるので、前人未踏のGT300クラス2連覇を目指して、次戦富士で巻き返しを期待したい。
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