大人が知らないYouTuberの世界をご紹介。
VAZ運営の美容チャンネル「MelTV」は2017年3月15日開始。チャンネル登録数は36万人超、再生回数は約1.4億回超。ユーザーの半数以上が10代で、同じく約9割が女性、同じく約9割がスマホから。今年3月に配信したアプリ版MelはApp Storeランキング総合2位になりました。
特徴はバラエティ風のつくり。
もともとVAZにバラエティ系YouTuberが所属していたことが大きいですが、単純な美容チャンネルではなくレポート系バラエティのように飽きさせないつくりになっています。動画はYouTuber同士のかけあいで、民放のバラエティ番組を彷彿とさせます。ただ面白いだけでなく、最終的に役立つ知識が与えられることも支持を得られるポイントのようです。
10代女子には動画アプリ「Mixchannel」や「Tik Tok」も人気がありますが、同社によるとYouTubeは動画アプリの1分以内の短い動画に比べて3〜10分程度と長い動画が多く、視聴者のエンゲージメント率が高いそう。ただし今後はYouTubeの長い動画を核に、TwitterやFacebookに30秒の短い動画を出すなど、プラットフォームの性質にあわせて動画を出しわける計画があるそうです。
Melの収益源は主にYouTubeの広告収入とタイアップ協力。再生1回あたり0.1円程度と推定すれば広告収入は年収1400万円程度。今後はMelブランドを横に広げ、コスメやファッションブランドを開発してECで販売、ブランドを10代女子の日常に浸透させたいと考えているそうです。
4月3日には東京・六本木のYouTube Space Tokyoで「Mel」1周年記念パーティーが開催。Mel視聴者の10代女子たちがMelに出演している人気YouTuberと人気モデルの女子会風トークショーを楽しんでいました。トークショーの中では「Instagramでコスメを検索して買うときの参考にしている」「YouTuberの『1万円コーデ』を参考にしている」といったエピソードも。雑誌やテレビのようなメディアの1つとして自然にネットを使っているのかな、という印象を受けました。
ネットでファッションやコスメといえばブランドや製品名でウェブメディアやクチコミサイトを検索して能動的に見るイメージがありましたが、いまはYouTubeの動画をテレビ番組のようになかば受動的に見て参考にする子たちも出てきているのかもしれません。いまの10代が10〜20年後の常識を作っていくと考えると、大人も少し考え方を更新する必要がありそうです。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ、家事が趣味。赤ちゃんの父をやっています。育児コラム「男子育休に入る」連載。Facebookでおたより募集中。
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