
ODMメーカーのブースにズラリと並ぶケータイ
MWC 2018は5G前夜という様相で、基地局などのネットワーク関連は盛り上がりを見せていたものの、スマートフォンに関しては5G対応の市販モデルは発表されず、やや勢いに欠けていた感がある。5Gは2019年から商用化スタートで、5G対応スマートフォンは今年後半か来年のMWCあたりで盛り上がってきそうだ。
一方、MWCの会場内で数多く見かけたのが、ベーシックフォンやフィーチャーフォンなど、いわゆる「ケータイ」と呼ばれるジャンルの製品たち。大手メーカーやファブレスの中堅メーカー、さらにODMメーカーまでも数多くのケータイを展示していた。
これまでのMWCでもケータイは展示されていたが、今年の特徴としては3Gや4G対応のモデルが増えたこと。ノキアのバナナフォンこと「Nokia 8110 4G」ものそのひとつで、テンキー付きのスライドフォルムながら、4G通信に対応している。
これほど今回のMWC 2018でケータイの展示が多かったのは、世界中で2G(GSM)のサービス終了が続いているためだ。日本ではとっくに2Gのサービスは終了しているが、世界では2Gがまだまだ残っており、その巻き取りが現在進んでいる状況。そのため、現在2Gのみ対応の端末を使用しているユーザーの置き換えとして、3Gや4G対応のケータイが必要というわけだ。
もうひとつ目にする機会が多かったデバイスが「翻訳機」。たとえば日本ではソースネクストが取り扱う翻訳デバイス「POCKETALK(ポケトーク)」を開発したトラビスは、後継モデルの「Travis Blue」を展示。現在開発中のモデルだが、前モデルが搭載していたディスプレーやモバイル通信機能を外して低価格を実現。さらに設定などは音声入力で対応しているとのこと。
そのほか、ディスプレー付きの端末もいくつかのメーカーが展示していた。いずれもAndroidをベースに開発されているが、翻訳機能に特化して開発されており、そのほかのアプリはほとんど搭載していない。
いずれの端末も双方向での翻訳が可能で、それぞれ音声入力時にボタンを押して話しかける。実際に「Stylish C」を使ってースの説明員に日本語と中国語で取材をしてみたころ、しっかりとコミュニケーションができ、今後の海外取材用に1台欲しいと思ったほどだ。
もちろんスマートフォンでも翻訳作業は可能だが、こうした翻訳機はスマートフォンと別になっていたほうが使いやすいし、相手に翻訳してもらう場合は端末を渡さなければならないので、別端末であるほうが安心だ。Googleからは翻訳イヤホン「Pixel Buds」も登場しており、翻訳端末は実は注目分野のひとつ。今後も使いやすく、かつ翻訳精度の高い製品が出てくるはずだ。

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