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二丁目の税理士・高橋創先生が教えます:

確定申告 税金安くする「節税方法」の基本

2018年03月06日 10時00分更新

文● 高橋 創

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「税金対策でぜいたくする」は本当に得?

 「節税」の意味がわかったところで、次は注意点のお話。節税にはこんな困った点があります。

1. 節税のためにはお金がかかることが多い
2. 年が明けてからでは打てる手があまりない

 まず1について。節税策の王道は経費や控除を増やすことです。そうすると「どうせ税金で取られるくらいなら贅沢な飲み食いをしちゃおう」という方もいらっしゃるのですが、ここで考えなければいけないのは「総合的に考えて、はたしてそれは得なのであろうか?」という点。

 経費や控除を増やしたときに減る所得税の額は、「支払った金額×税率」分です。

 例えば税率が20%の方の場合、10万円使っても減る税金は2万円。2万円の税金をセーブするために10万円を支払うというのはちょっと効率悪いので、私はあまり好きではありません。節税を考えずにいた方が結果的にお金が残るわけですから。まあ「国に払う税金が減るのであれば損をしても構わない!」という謎のモチベーションがあるのであれば止めはしませんけれど。

 次に2について。いま作業している確定申告は平成29年1月から12月の経済活動にかかるもの。普通に考えたら平成30年3月になってから平成29年分の経費や控除を作ることなどできません。つまり平成29年分の税金を安くしようと思うなら平成29年中に手を打たないといけないわけです。

 つまり節税は収支やタイミング、法的な根拠をタイムリーに考えながらやっていかなければいけないという、少しハードルの高い作業というわけです。

 というお話ばかりしていると、ただでさえ敬遠されがちな確定申告がさらに不人気イベントになってしまいますので、簡単にできて損をしない節税策をいくつかご紹介しておきます(主に事業をやっている方対象のものになってしまいますが)。

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