富士通は、誰も踏み込めない"軽さと剛性の両立"を目指す
1キロ以下の13.3型ノートならコレだ!! 世界最軽量「LIFEBOOK UH」の秘密を開発陣に聞いてきた!![LIFEBOOK WU2/B3・UH55/B3・UH75/B3・UH90/B3] (3/5)
2018年02月19日 11時00分更新
新「LIFEBOOK UH」店頭向け最軽量モデルの戦略に迫る
―― 店頭向けの最軽量モデル「LIFEBOOK UH75/B3」では、CPUがCore i5でメモリー容量が4GBです。この理由について教えてもらえますか?
松村氏 市場全体を見ると、モバイル製品に関してはCore i5がもっとも多く使われており、我々としてもその激戦区で勝負したいという思いがありまして、Core i5搭載機を最軽量モデルとして投入しています。
メモリーが4GBでは足りないという声があることは認識しているのですが、価格と性能のバランスを考えると、Core i5と4GBメモリーの組み合わせがいいのでないかと判断しました。実は、ここは非常に迷ったところです。その代わり、上位モデルとしてCore i7と8GBメモリーの「LIFEBOOK UH90/B3」を用意することで、より選んでいただきやすいラインナップになっていると思います。
―― Core i7搭載の「LIFEBOOK UH90/B3」とCore i3搭載の「LIFEBOOK UH55/B3」では、「LIFEBOOK UH90/B3」のほうが軽いことに驚いたのですが、この重量の違いについて教えてもらえますか? 「LIFEBOOK UH90/B3」が重量約899g、「LIFEBOOK UH55/B3」は約916gとなっていますよね。
石川氏 これは先ほどの「サテンレッド」と同じく、塗装が関係しています。「LIFEBOOK UH55/B3」は本体カラーが「アーバンホワイト」で、白を美しく発色させるために塗料を何層も塗っているのです。そのぶん、「ピクトブラック」のみの 「LIFEBOOK UH90/B3」よりも重量がある状態になっています。
―― 店頭向けのうち、「アーバンホワイト」は「LIFEBOOK UH55/B3」のみですが、その意図は?
松村氏 「LIFEBOOK UH55/B3」は、エントリーモデルの位置づけなんですね。女性含め文系学生の方をメインターゲットとイメージしており、その層に合わせた仕様を意識しています。
―― 女性も手に取りやすい、おしゃれで軽くてリーズナブルなモデルというわけですね。
松村氏 目指すところはそこですね。
新「LIFEBOOK UH」軽量化の秘密は"肉抜き"と"骨抜き"
―― 前モデルと比べると、最軽量構成で重量が約761gから約748gに減っています。この軽量化は、どのような工夫によって実現されたのでしょうか?
石川氏 ちょっと、モノをお見せしましょう。(キーボード面のカバーを取り出しながら)こちらが前モデルのカバーで、もう片方が新モデルで使っているカバーです。どちらもマグネシウムで作っていますが、新モデルではパームレストの部分含め"肉抜き"しているんですね。
―― 両方を持ち比べて、違いがわかりますかね?
石川氏 これはですね、まぁ、わかる人にはわかるかもしれませんね(笑)。
河野氏 違いは2gぐらいですからね。
石川氏 キーボード面と底面の差を合わせて4g程度ですね。このへこみの部分は深さは0.1mmなのですが、そのほんのわずかな違いによって重さを減らしています。
河野氏 カタログ値でいうと前モデルが約761gで、新モデルが約748gと13g減っています。カバーの肉抜きのほかに、実はもっとも大きく軽量化に貢献している要因がバッテリーなんですね。前モデルでは、全体の強度を保つためにバッテリー部分に“筋交い”(すじかい)を入れていますが、それを取り払っても筐体だけで堅牢性を担保できることが検証で判明したため、バッテリー部分のパーツを設計し直し、この部分だけで9gちょっと重量を減らせました。こういった工夫によって前モデルから筐体デザインを継承しつつ、約13gの軽量化を実現できました。
―― 筐体は前モデルを継承しているんですね。
石川氏 はい。デザイン形状は変えず、加工を加えています。カバー裏側の平面部分に、特殊なドリルで肉抜きしています。「LIFEBOOK UH」シリーズには通常モデルと軽量モデルがあるのですが、軽量モデルだけ少しえぐっているという感じですね。
河野氏 なので、実は非常にお金がかかっているんですね(笑)。工数がひとつ増えているわけですから。