ドコモは4月から新決済サービス「d払い」を開始すると発表した。現行の「dケータイ払い+」はd払いへと名称変更になる。
現在のキャッシュレス決済と比べて大きく異なる点は、スマホアプリ上に表示したバーコードやQRコードをお店のPOSレジや端末(タブレットなど)で読み取ることで、支払いを月の携帯電話代に合算して支払えるところ。NFCやおサイフケータイといった、端末によっては搭載していない機能に頼ることなく支払える。専用アプリは無料で、iOS、Android両対応。
中国でシェアが大幅に伸びている「We Chat Pay」に近いが、個人間での送金には対応しない。
NTTドコモ 執行役員 プラットフォームビジネス推進部長 前田義晃氏は「当社は1999年にiモードで携帯料金の合算払いに対応した。その結果、合算払いは4000億円の年間取扱高へと成長し、ユーザーは1500万人も存在するる」と最初に解説。新しく始めるd払いについては「d払いはドコモユーザーが利用でき、クレジットカードをもたない人でも使えます。お店側としては新しい顧客を獲得できるだけでなく、レジの締め作業などの手間が減らせる」といったメリットを述べた。
対応するシステムをすでに導入している店舗なら、タブレットに専用アプリを入れるだけと導入コストも非常に安くなる。「この点を活かして中小企業にも広めたい」とローソンの執行役員 マーケティング本部長 野辺一也氏は語った。続けて「現金払いでレジの行列ができると、帰ってしまう人もいる。これは機会損失です。決済のスピードアップだけでなく、現金でポイントカードが使えないとエンゲージメントがわかりませんが、d払いなら顧客データの収集にも効果があるでしょう。また、レジから現金がなくなることで防犯対策にもなる」と期待を寄せた。