銀行口座やSNSのアカウント、またクレジットカードなどなど、現代社会では多くの場面で「ID」と「パスワード」を使いサービスへのログインをおこないます。しかしいちいち「ID」や「パスワード」を入力するのは手間ですし、「ID」や「パスワード」は常に流出する危険性があるなど、多くの問題があります。また、クレジットカードナンバーを入力することに抵抗感のある人も多いことでしょう。
そこで現在注目されているのが、「静脈認証」などの生体認証です。 今回は防犯対策や個人情報保護に役立つ「静脈認証」の仕組みや、「静脈認証決済」など、静脈認証が活用されている場面についてご紹介します。
静脈認証とは
静脈認証というのは、手のひらの静脈を用いて本人認証をする技術のことです。 あらかじめ静脈の模様を登録しておき、照合することで本人かどうかの判断をします。指紋や顔など生体認証に使える部位はたくさんありますが、その中でも静脈は体内にあるため、簡単に他人に情報を盗まれることがありません。流出してしまう危険が最も少ない部位であると言えます。
動脈を用いない理由は、静脈が比較的皮膚に近い場所を流れているからです。また静脈中の赤血球は特定の近赤外線を吸収しやすく、その特徴を活かしやすいというのも静脈を利用する理由に挙げられます。
非接触型手のひら静脈認証
富士通が開発した「非接触型静脈認証」は、静脈認証の中でもより安心感の高いものであると言われています。 非接触型静脈認証では、手のひらをセンサーにかざすだけで認証することができます。手のひらに近赤外線を照射すると、皮下組織の静脈中を流れる還元ヘモグロビンが近赤外線を吸収し黒く映し出されます。そこから静脈のパターンを読み取り、そのパターンから本人かどうかを判断する仕組みです。
静脈認証の活用シーン
富士通の開発した技術は買い物の際の決済システムにも活用されています。静脈情報をクレジットカード情報とともに富士通のデータセンター内に登録しておくことで、カードや電子マネーなどを持ち歩くことなく買い物をすることができるようになります。これにより手ぶらで買い物ができるようになるほかに、カードの紛失などの恐れもなくなり、より安心して買い物をすることができるようになるのです。
決済以外にも銀行のATMの本人認証、オフィスや研究所の出入り口、マンションなどの開錠施錠装置など、多くの場面で活用されています。また、テロ対策などの警備強化にも役立つとして、公共機関や空港、政府機関でも多く用いられるようになっています。
静脈認証で決済! 静脈認証の仕組みとは
指紋認証や顔認証は、悪用する側の技術の発達により情報が流出してしまう危険性が高まりつつあります。しかし体内を流れる静脈による認証では、情報流出の危険性が比較的低いです。 また手をかざすだけで認証できるこのシステムは利用者や導入店舗側にとってもストレスのない認証システムであるため、今後、より広く普及していくことでしょう。
※本記事は「ROBOTPAYMENT公式ブログ」に掲載されたものを転載しております。
この連載の記事
-
第20回
デジタル
【2020年】カード情報の非保持化で何が起きる? -
第18回
デジタル
決済にも普及間近?「生体認証」の種類と特徴 -
第17回
デジタル
電子決済とは?サービスの種類やメリット、現在の市場規模など -
第16回
デジタル
「NFC」とはいったい何? FeliCaとはどう違うの? -
第15回
デジタル
源泉所得税をインターネットで納付する方法 -
第14回
デジタル
社員すべての税を扱う年末調整!効率化のコツとは -
第13回
デジタル
請求金額と入金する金額を間違えたときの対処法 -
第12回
デジタル
管理部必見!業務効率をアップさせる5つのツール -
第11回
デジタル
電子マネーで支払った経費はどのように経理処理する? -
第10回
デジタル
取引先が締日や支払日の変更を要請してきたらどうすればいい? - この連載の一覧へ