「ギタリストならこれ一台で」仕様
Tone Roomはほぼ必須のアプリとあって、iOS/Android向けだけでなく、WindowsやmacOS版も用意されているから偉い。Adio Air GTとアプリの接続は、USBかBluetooth MIDIで。アプリで作った音色設定を本体へ転送すると、パネルのスイッチに8つまで登録して、ポンポン選べるようになる。
アプリのパラメーター操作はリアルタイムに反映されるので、Bluetooth MIDI対応のフットペダルでも作ってもらうと、足元で音色を操作できて便利だろうなあと思う。
おもしろいのは、Bluetooth MIDIと、Blutoothオーディオ(A2DP)は、別々の機器から接続できること。例えばTone Roomを起動したタブレットで音色を操作しつつ、別のスマホからBluetoothスピーカーとしてオケを流す、なんてこともできる。
加えて、USBやAUXのオーディオ入力も同時に鳴らせるから大変だ。USB接続のPCから音源をプレイバックしつつ、AUXにつないだキーボードで音程やコードを確認する、なんてこともできる。ミキサーがなくても、ギタリストだったらこれ1台でなんとかなってしまいそうだ。
DAWで使える「リアンプ」対応
USBオーディオインターフェース機能も優秀だ。いきなり話は専門的になってしまうが、オーディオのルーティングを変えて「リアンプ」までできてしまう。こいつはびっくり。
リアンプというのは、生音でギターを録音しておいて、ミックス時にアンプモデルやエフェクトを通し、アンサンブル中のギターサウンドを整える操作。要するに、録音済みのトラックをAdio Air GTで後処理できるのだ。DAWを使って、スタジオっぽい操作ができてしまう。
そのルーティングは3モード。MODE 1は通常録音用。MODE 2はAdio Air GT経由の信号をLch、生音をRchへ。これで録音しておけば、Rchの生音をAdio Air GTに戻せばリアンプできる。で、MODE 3は、そのRchからAdio Air GTに戻して処理した音を、ステレオで返す。
ここでAdio Air GTは、プレイバックモニターとして大活躍することになる。小さいなりに音のバランスが取れている必要があったのだ。そしてスタジオ作業に必要な機材が、これ1台でまかなえてしまうのだ。まことに素晴らしい。