見た目に似合う高性能
外観についてはこのへんにして、本体スペックを見ていこう。CPUは前述のとおりクアッドコアの「Broadcom 4908」(1.8GHz)で、メモリー容量は1GB。無線は5GHz帯×2、2.4GHz帯×1を利用でき、4ストリーム最大2167Mbpsに対応するほか、ビームフォーミングやMU-MIMOなど流行りの機能にも対応している。
LANポートは8基と非常に多いため、ほとんどの有線接続デバイスはハブなどを介さずに済むはずだ。さらにLANポートの一部はゲーミングポートやリンクアグリケーション対応となっており、たとえばNASを組み込むような用途や、NICチーミング対応の複数LANポートを持つゲーミングPCであれば、より安定した配信状況を作りつつ、ゲーム側への影響も抑えるといった使い方もできるだろう。
ゲーム向けの機能を見てみよう。本製品は5GHz帯×2、2.4GHz帯×1のトライバンドルーターだが、5GHz帯は低帯域と高帯域でレイヤーを分けており、高帯域側をゲーム専用にすると、他の接続機器との電波干渉を抑えられる仕様だ。2基のゲーミングポートは、ワイヤードで繋いだPCのゲームパケットを最優先パケットとして自動的に処理してくれる。
ゲームパケットを優先させる機能としてゲームブーストもあり、PS4やXbox Oneなどのコンソールゲームからオンラインゲームまで、ワイヤード・ワイヤレス関係なく設定できる。WTFastも搭載しているが、日本国内のインフラ整備状況からすると効果を体感しにくいので、保険として「そういった機能もある」くらいで覚えておくといいだろう。
セキュリティーについては、SPI、DoSプロテクション、ポートフィルタリング、URLフィルタリング、ネットワークサービスフィルタリング、ペアレンタルコントロールと揃っているほか、「ROG Rapture GT-AC5300」自体にトレンドマイクロ製のセキュリティ技術が搭載されている。機能としては「悪質サイトブロック」「脆弱性保護」「感染デバイス検出/ブロック」があり、ゲームプレイの間だけアンチウィルスアプリケーションをオフにした場合でもネットワークの保護を実現している。セキュリティー環境は人それぞれだが、Windows Defender+サードパーティー製の環境でゲームプレイに不満があるのであれば、Windows Defenderのみを使ってあとはルーターに頼る割り切り運用もアリだろう。
またゲームに直結しないが、RangeBoostという機能もチェックしておきたい。これは長距離通信のスループットをハードとソフトによって向上させるもので、「ROG Rapture GT-AC5300」とデバイスの距離がある場合や、壁の影響で電波強度が低いスポットに効果的だ。スマホでゲームをしながらお風呂に入ると、通信が不安定になってしまうといった場合に効果的でもある。