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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第188回

ディスプレイが変わったiPhone Xでは、撮る写真も変わってくる

2017年11月08日 10時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

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それでもやはり違うのは黒

 有機ELディスプレイは画素が1つずつ発光するのに対し、液晶ディスプレイはバックライトによって画面を明るくしています。大きな違いは黒をどう作り出すかです。

 簡単に言えば、液晶ディスプレイの場合は、黒いフィルタによって黒を再現しますが、有機ELディスプレイは消灯が黒です。

 そのため、真っ暗な場所で最大光度にして比べると、iPhone Xの黒は真っ黒ですが、iPhone 8の黒は強力なバックライトの光を遮っていて、限りなく濃いグレーのような雰囲気にも見えてきます。

 明るいところではさほど気にならなかったかもしれませんが、先行レビューの初日に飛行機でサンフランシスコから東京へ移動した筆者は、その発色以上に暗い機内でもキリリと真っ黒なiPhone Xのディスプレイが印象的でした。

ついつい、モノクロ写真を撮りたくなる

 iPhone 8シリーズ、iPhone Xのカメラには、1200万画素の新しいセンサーとカラーフィルタが用意され、色やディテールの表現が向上し、また暗いところでの撮影に強くなったとAppleは説明しています。

iPhone Xで「ノアールフィルタを設定して撮影したモノクロ写真の作例です。やや暗いところでも、手ぶれ補正が内蔵された望遠レンズを用いたポートレートモードでの撮影がしやすくなりました

 iPhone Xを携えて長野で紅葉や苔を撮影してみると、確かに色や細かい構造を写し出す力が高まっており、また望遠レンズにも光学手ぶれ補正が入ったことで、積極的に望遠レンズで撮影するようにもなりました。

 しかし、ディスプレイの黒の黒さに惹かれて、ここ数日はモノクロ写真ばっかり撮影しています。モノトーンで露出を落として撮影した写真をiPhone Xで見ると、なんとも重厚感が生まれ、写真がうまくなったような気分を味わうことができます。

 せっかく暗所に強くなったというのに、昼でも夜でも露出を下げて、黒く塗りつぶす領域を拡げている始末。本当に罰当たりなものですが、もしiPhone Xを手にしたなら、モノクロ写真に挑戦してみてください。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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