2年に1度のクルマの祭典「東京モーターショー」が11月5まで開催中です。第45回となる今回のショーテーマは「BEYOND THE MOTOR」。自動運転やAI技術、電動化によるゼロ・エミッションなど社会の変わるきっかけを日本の自動車産業から作り出そうという、意欲的なショーを目指して大きく変革しています。
そうした意欲は各メーカーを刺激しました。国産メーカーだけで20台を超える世界初公開モデルが、今年も会場となった東京ビッグサイトに並べられました。各メーカーの目指しているクルマの未来が感じられるコンセプトカーやショーモデル41台を、2回にわけて紹介しましょう。
アウディ
Q8 スポーツコンセプト
市販を前提としたコンセプトカーは、いまのトレンドであるSUVのフラッグシップ像を示しています。エンジンは3.0リッターV6ツインターボに電動コンプレッサー(過給器)を加えたもので、ハイレスポンスを期待させます。その最高出力は331kW(450PS)、0-100km/h加速は4.7秒とSUVとは思えない俊足ぶり。そうしたアクティブな性能が示す可能性を、イエローのボディカラーがアピールしている一台です。
エレーヌコンセプト
フランクフルトモーターショーで発表されたコンセプトカーが早くも日本上陸。次世代の自動運転テクノロジーを搭載した電気自動車は、量産も意識した設計になっているのがアピールポイントです。自動運転機能は「Audi AIハイウェイパイロット」と名付けられ、高速道路において、130km/h以下の速度であれば、車線変更も含む自律走行が可能、自動運転時代をリードするアウディの先進性を示しています。
メルセデス・ベンツ
コンセプト EQA
メルセデス(ダイムラー)の電気自動車専用ブランド「EQ」から生まれた、100%電気自動車のコンパクトカー像を示すショーモデル。駆動システムは前後2つの電気モーターによる4WDで、最高出力は200kW以上。それでいて、満充電からの航続可能距離は約400kmと十分実用的です。メルセデスを象徴するフロントグリルはディスプレータイプで、状況に応じて表示を変更するというのもユニーク。
GLC F-CELL
ショーモデルというより試作車といった方が適切なメルセデス・ベンツの燃料電池車。その完成度は市販一歩手前といった雰囲気を醸し出しています。水素燃料電池による発電だけで437kmを走るだけでなく、大容量バッテリーによるEV走行でも49kmを走ることが可能。バッテリーの外部充電にも対応することで、水素インフラが少々離れているところに行っても最低限の走行が可能になっているのが特徴です。
Mercedes-AMG プロジェクト・ワン
2017年のF1において独走しているMercedes-AMGが、そのエンジンをアレンジしたスーパーカー・プロジェクトが進行中。まさに「公道を走る最強F1」といえるマシンを目指しています。その現時点での姿を示すのが、このショーモデル。後輪を駆動するV6エンジン+モーター、前輪を駆動するモーターを合計した最高出力は1000馬力以上! F1マシンのイメージを受け継いだというルックスもド迫力です。
スマート ビジョンEQ フォーツー
ダイムラー・グループの小型車ブランド「スマート」の未来を示すコンセプトカーは、電気自動車であり、完全自動運転車でもあるという近未来の目標を示す一台。その室内にはハンドルさえなく、無人走行によってユーザーを迎えに行くカーシェアリングを想定しているといいます。搭載されたAIが充電のタイミングさえ自分で考えるという、人間の手をわずらわさない、まさにスマートなカーライフを目指しています。
BMW
コンセプトZ4
スタイリッシュな2シーターオープンのデザインスタディーといえるショーモデル。サイドウインドウや幌が見当たらないことも、見せることだけを考えているクルマであるといえます。とはいえ、その名前から次期Z4(市販モデル)のスタイリングを予告している存在と考えるのが妥当といえそうです。左右シートの色を変えている試みは、オープンカーらしい見られることを意識した提案といえます。
コンセプト8シリーズ
BMWの伝統といえる「キドニーグリル」を低い位置に配したスタイリッシュクーペのコンセプトモデル。「8シリーズ」という名前からもわかるように市販前提のプロトタイプで、間近に確認した限り、ほぼ市販状態と言っても過言ではない完成度です。スポーツ、ラグジュアリー、エレガント……いくつもの表現が必要と感じる高級クーペは、BMWのフラッグシップとなるべく、間もなくローンチされる予定です。