富士通VRヘッドセットへの期待
VRは1990年代に一度ブームを迎えたが、2016年が「VR元年」と呼ばれるように、第2次ブームを迎えている。
角川アスキー総合研究所の遠藤諭取締役は「VRを含むつぶやきは、元年と呼ばれた2016年から増え始め、いまでは1日数1000件に達する。調査によると、2025年には最高で1100億ドルの市場規模が見込まれ、テレビを越える市場規模になる可能性も指摘されている」とも語る。
一方、2015年2月からVRプロジェクトを始動し、オリジナルVRコンテンツ事業や、VRプラットフォーム事業などに乗り出しているソニー・ミュージックエンタテインメント デジタルコンテンツグループの村田茂副代表は、「ソニー・ミュージック所属アーティストのライブや、世界各国の空間を長時間に渡って楽しむことができるコンテンツなどを用意し、様々なVR体験ができるようになっている。富士通のVRヘッドセットの広がりによって、コンテンツが利用できるプラットフォームが広がることを期待している」とする。
そして、DMM.com 執行役員 動画配信事業部/電子書籍事業部の山本弘毅事業部長は、「2016年11月からVR配信事業を開始し、約2500タイトルを配信している。2017年8月には、月間3億円の売上高に達した。国内メーカー唯一となる富士通には、日本のVR市場をリードしてもらいたい」と期待する。
VR市場に参入することでパソコンの新たな可能性を提案
齋藤社長は年末商戦において「『パソコンを使うなら、VR(バーチャルリアリティー)』といってもらえるようになりたい。それがゴール」だとする。
パソコンには、様々な用途があるが、VRという新たな用途によって、パソコンの販売に弾みをつける考えだ。
「リアルを求めるのは人間の欲求である。まずは、コンシューマ向けの用途で利用するが、法人向けにもこの技術は生かすことができる。法人向けプラットフォームとしての広がりにも期待している」とする。
そして、こうも語る。
「パソコンはコンピューティング領域の拡大によって、市場がさらに広がることになる。より快適に、よりリアルに、いつでもどこでもという要素が、コンピューティングに望まれている要素であり、それを実現しながら『ずっとあなたのそば』にいる製品が、FMVの目指す製品像」とする。
VRヘッドセットは「よりリアルに」という要素を実現する新たなデバイスということになろう。富士通クライアントコンピューティングは、VR市場にいち早く参入することで、パソコンの新たな可能性の提案に挑むことになる。
新たな体制になっても、こうした果敢な姿勢を維持してほしい。
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