このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

ムダばかりの「ブラック会議」を強くする、ほんのちょっとの視点 第2回

会議の進行や段取りが悪い「ダラダラ会議」を撲滅しよう

2017年09月27日 09時00分更新

文● 橋本雅司/内田洋行

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 会議を開催する際には、議題、時間、参加メンバーの選定を行い、参加メンバーへ事前に案内をしますよね。ここはもちろん、皆さんやられていると思います。ここでの提案は、もう少し細かく会議設計をして、会議参加者のベクトルを合わせるという工夫です。

 議題の設定にはタイトルだけではなく、各議題ごとの目的やゴールを設定しましょう。

 課題に対する意思決定なのか、アイデアを募るブレーンストーミングなのか、提案内容をまとめる場なのかなど、一つ一つの議題に対し会議時間の中でどこまでやるのがゴールであるか事前に参加者に周知します。議題ごとに、予め所要時間を見積もり時間配分をしておくことも必要です。

 参加者に事前準備してもらうことがある場合は、明示的に準備の依頼をしましょう。意図や文脈が分かるサンプルやテンプレート、フレームワークを渡すことで、何のために何をすべきか、受け手側の理解度が上がるようにします。 少し例を挙げて考えてみましょう。

Before

会議案内:新製品カタログ打合せ
・議題1:紙面レイアウトの件
・議題2:製品キャッチコピーについて検討

 よくありそうな会議案内です。2件とも、何のことについての会議かは何となくわかります。しかし、各議題で何をやりたいのかよく分かりません。当日、会議が始まってから確認することになりそうです。

 では、少し細かく議題ごとの目的を意識して案内してみましょう。

After

会議案内: 新製品のカタログ内容確認打合せ
・議題1:紙面レイアウトデザインの決定
 ~~事前にお送りした候補案の中から、採用案を決定したいです。
 各自、選定案と理由を用意してきてください。課長に決定して頂きます。
・議題2:製品キャッチコピーの検討
 ~~今回は、案出しのためのブレストをしたいと思います。
 アイデアを各自10件持ち寄ってください。
 出されたアイデアを基に時間内で方向性までは固めたいと思います。

 どうですか?参加メンバーとして、この会議の目的やゴールが分かり、どのような準備をして参加すればよいのかが分かりやすくなったと思います。ここまでしっかりやるだけでも、会議開催前から会議参加者の会議に対するベクトル(方向性)合わせや参画意識を高めることができます。

 議題、目的、時間配分が決まったら、当日のタイムキーパーと議事録担当者を決めてください。議長役とは別にタイムキーパーを置くと、客観的に議題ごとに時間管理ができるので、特定の議題で長引いてしまうことを防げます。議事録担当を決めることで、議長はメモに気を取られずに議題を進行できますし、議事の内容をメンバーで再確認できます。

 開始時間・終了時間を守ることは、重要なことです。忙しいメンバーの時間を割いて行う会議なのです。長引けば次の業務にも支障が出ます。時間当たりの人件費に換算すれば大きな額になりますので、限られた時間を最も有効に活用するためにも意識しましょう。

 筆者は、会議時間を意識するために、パソコンからスクリーンにデジタル時計などのアプリを使って、時間を大きく映して会議をすることがあります。これだと、メンバー全員が時間を意識できます。

 会議室予約管理システムを活用すると、会議前に参加者へリマインダーメールを飛ばすことや、会議終了時にアラームを鳴らすことができるので便利です。開始時間にも部屋前端末で、「入室ボタン」を押さなければ、会議予約自体がキャンセルされてしまいますので、必ず時間通りに部屋に入る習慣もつきます。

会議室予約管理システム「SmartRooms」。時間前に来て部屋前端末の入室ボタンを押さないと、会議予約はキャンセルされてしまう。終了時間にアラームを鳴らすこともできる。

 このように、会議の目的・ゴールを明確にして、参加者に会議の意図をしっかりと理解してもらうことで、より会議を効率的に進行できるようになると思います。次の会議案内からぜひトライしてみてください。

橋本 雅司

株式会社内田洋行 ICTリサーチ&デベロップメントディビジョン ICTプロダクト企画部プロダクト2課 課長

内田洋行 オフィスエンジニアリング事業部営業部門を経て、2008年より会議やコミュニケーションの活性化や効率化を支援するICTソリューションの企画業務に携わる。現在は、営業統括部門のスタッフとして、教育・公共・民間のすべてのマーケットに対するICT商品・ソリューションの企画を担当。

■関連サイト

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ