女子はiPhone、男子はAndroid
「Snapchatにはそろそろ飽きてきた」 次のサービスのチャンス!?
Lさんがビデオでメッセージを送る相手は数十人に限られている。「そもそも始めた時は動画でチャットしたいけど、みんなが同時におしゃべりできることは少ない。だったらビデオメッセージを送ろうって」。「入力が面倒臭いの?」という私の質問には、「うん、打ってられない。それに私たちの流行語や流行の短縮語を知らないから、すごいスピードで打つと勝手に変な自動補完が入ってしまう」とのこと。LINEのスタンプのようなものはあまり惹かれないようだが、テキストメッセージにはスマイリーやハートマークなどの絵文字が入っている。
サービスの使い分けは、Instagramは「自慢したり、流行をチェックするときに」、WhatsAppは「とりあえずみんなやっているから、親しくない人にはこれ。仲良くなると、Instagram持ってる? Snapchatやってる? という風になる」と言う。最近はそのSnapchatにも少し飽きてきたようだ。なお、ビデオメッセージを送り合うのはほとんどが女友達。「男子はやっていないんじゃない?」とのことだった。
端末は女子はiPhone、男子はSamsungなどAndroidが多いようだ。
つづいては、ドイツ・ベルリンのRさん一家のF君は17歳のお兄さん。画面が割れたSamsungを折りたたみできる皮のケースに大切に入れて使っていた。Snapchat、WhatsApp、Instagramと”必須”のアカウントはすべて持っているがあまり発信しない。それでもヒマさえあればスマホを触っている。誕生日のプレゼントには、スマートフォンと連携するGoProのような小型のカメラを買ってもらった。夏休みのキャンプで遊んでみるつもりだ。
妹のMさんは13歳、夏休み前についに念願のスマートフォンを買った。中古のiPhone 6だ。「スマートフォンはiPhoneって決めていたから」とMさん。兄のF君は「品質が良いのはiPhoneだけど、iOSはいろんなことができないよ」とアドバイスしていた。
ブリュッセルのLさんによると、Androidは男子はSamsung、女子はHuaweiのイメージがあるという。10~15年前、Samsung(フィーチャーフォン時代)が女性にアピールしてシェアを増やしていったのだが、それは過去のことのようだ。
Lさんが楽々と(恥ずかしがることなく)、iPhoneを構えてメッセージを録音して送る姿にはショックを受けた。iPhone10周年だが、iPhoneが広めたタッチのインターフェイスから、新しいインターフェースが求められているのかもしれない。あるいはLさんの「Snapchatは飽きた」と言っていることは、次なるメッセージアプリ誕生のチャンスはあるということだ。
おまけ:中国で「HTCって何ですか?」
この10年、ベンダーの浮き沈みがあったが、最後に先週行った中国の上海で25歳の女の子と話していた時にびっくりしたことを紹介したい。
「どんなスマホが人気なの?」という質問に、彼女が挙げたのは「Oppo、Xiaomi、Vivo」。「Huaweiは?」には「うん、良いですね」。「Lenovoは?」は「あまり聞かない」。「HTCは?」には「HTCって何ですか?」。
そう、HTCを知らなかったのだ。iPhoneの名前は一番に出てこなかったなのだが、iPhoneについて聞いてみると「買えるなら当然iPhone(を買う)でしょう」とのこと。メディアで言われているよりも中国でのiPhone離れは進んでいないように感じた。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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