サイボウズ社が提供しているウェブサービス「kintone」は、一言で言うなら「簡単に自社の業務に適したシステムを作成できるクラウドサービス」だ。業務アプリを直感的に作成できるほか、社内SNSとしての機能も備えスピーディーに情報共有ができるなど魅力が盛り沢山だ。
本連載では、そんなkintoneの導入から基本機能の紹介、そしてアプリの活用法など、ビジネスの現場で役立つ情報を取り上げていく。第17回では、kintoneには日々機能改善や新機能の追加が行なわれている。
クラウドサービスであるkintoneは、現在も日々進化し続けている。ユーザーの要望を受けて新機能を追加したり、細かい機能の改善などを行なっているのだ。ほぼ1ヵ月に1回のペースで定期メンテナンスや不具合を修正し、数ヵ月ごとに大規模な機能改善が実施される。アップデート情報はkintoneのウェブサイトから確認できる。
ちなみに、アップデートが実施されても、ユーザーは特に何もする必要がない。普通にアクセスすればリニューアルしたkintoneを利用できる。
テーブルデータが読み込めるようになった!
2017年8月13日と14日に行なわれたアップデートでは、多数の機能追加や機能改善が実施された。今回はそのアップデートの内容をご紹介しよう。
目玉機能は「テーブルデータの読み込み機能搭載」。「第15回 kintoneの作成済みアプリの配置場所を変更する方法」では、テーブルの書き出しはできるが、読み込みはできない、と紹介したのだが、今回のアップデートで可能になった。これはぜひ欲しい機能だったので、うれしいところだ。
手順は同じで、CSVで書き出したファイルを読み込むだけ。テーブルの更新や削除はできないが、新規登録が行なえるのだ。ファイルを読み込んだら、アプリのフィールドと読み込みデータの列を対応付けるだけ。アプリの移動であれば、基本はそのままでいいはずだ。また、「一括更新のキー」はオフにしておくこと。オンにしたまま「読み込む」をクリックするとエラーが表示されるので注意しよう。
もちろん、アプリの移行だけでなく、CSVを新規作成し、テーブルを一括入力することもできる。その際は、先頭の列に「*」を入力する。まずは、既存のアプリからCSVを作成して、どんな感じになるのか見るとわかりやすいだろう。
アプリストア改善やそのほか変更点
次は、アプリストアの改善。まずは、タイトルバーが派手になり、メニューの文字も大きくなった。見やすくはなったが、同じ領域に表示される情報量は少なくなったので一長一短か。それよりも便利なのが、アプリストア検索フォームが追加された点。キーワード検索でアプリを探せるのは楽だ。
さらに細かい改善もいくつか行なわれている。たとえば、「パンくず」の改善。従来は、「プロジェクトB>アフターフォロー管理」のように、スペースとアプリが表示されていたが、現在はホームアイコンに続き、「スペース:プロジェクトB>アプリ:アフターフォロー管理」のように親切表示になった。細かいことだが、どちらがいいかと言えば、断然に新しいデザインのほうだ。
アプリの設定を開くと、従来は「設定」画面が開いていた。しかし、アプリの設定を開くのは、圧倒的にフォームをいじる時が多い。しかし、現在はアプリの設定を開くと「フォーム」タブがデフォルトで表示されるようになっている。細かいところだが、とてもありがたいところだ。
同様に、ヘッダーにある「?(ツアーやヘルプを表示する)」アイコンをクリックし、「kintone ヘルプ」のリンクをクリックしたときに表示されるページも変更された。以前は、「kintoneユーザーヘルプ」をクリックすると「ポータルの見方」が表示されていたのだ。
また、ユーザーを検索したときの表示の優先度も改善されている。1文字からでも適切な順序でユーザーを表示してくれる。表示順は入力した文字に前方一致する人が上に来て、過去30日間で宛先指定した頻度でソートされる。「.com共通管理」のユーザー情報で指定された「表示優先度」も反映される。
制限が加わることもある。従来は、作成できるフィールドの上限値はなかったのだが、今回のアップデートで500個までに変更された。とはいえ、1つのアプリに500個もデータを入力するのはナンセンス。あまりたくさんのフィールドを設定するとパフォーマンスに影響がでることもあるし、基本は入力しやすいように分割すべきなので、特に問題にはならないだろう。
同時に、アプリに設定できるグラフの数も1000個までとなった。ちなみに、レコード数の上限はなしのままだ。1アプリに100万件のレコードを登録してももちろん快適に動作する。
アプリにインストールできるプラグインの数も、無制限から最大20個までになった。プラグインに関しては、今後紹介する予定だ。また、「レコードに含まれるデータサイズが大きい、またはフィールド数が多い場合の処理を中止するように変更。(2017/8/14 追加)」という変更点も公開されているが、こちらの挙動はまだ確認できていない。
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