このページの本文へ

もれなくコーヒー沼にご招待:

デロンギ最高級コーヒーグラインダー良すぎる、買ったらダメなやつだ……

2017年08月29日 07時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 ああ~~~~やばいのが来た……デロンギがぜいたくなコーン式コーヒーグラインダーを出してきた。挽き方が極細挽きから粗挽きまで18段階で選べて、1台買えばフレンチプレス、ドリップ、エスプレッソ、全部いけるやつだ。高い。困った……。

デロンギ デディカ コーン式コーヒーグラインダー KG521J-M
希望小売価格3万2400円
9月15日発売
デロンギ
http://www.delonghi.co.jp/products/category/category/1/sub_category/5

●なぜ「豆挽き」なのか?

 コーヒーグラインダーはコーヒー豆を挽いて粉にする機械。デロンギではずっと前から電動グラインダーを出している。2013年ごろからは品ぞろえも増やしている。全自動のコーヒーマシンに比べると大きい市場ではないけど、出荷台数ベースで昨年対比微増の“じわ伸び”製品だ。

 どうして売上が伸びているのかデロンギが調べてみたところ、コーヒーミルやグラインダーのウェブ検索件数が5年間で約60%増えていたことがわかった。数年前から豆から挽くコンビニコーヒー、サードウェーブコーヒーなどがブームになったことで、自宅でもコーヒーをいれるのが流行ったのでは、とデロンギは推測している。

 豆をすばやく挽けて、手間がない電動グラインダー。市価は3000円程度からで、デロンギもせいぜい1万5000円程度だった。しかし新製品は一気に倍の3万円。コーヒー豆の粒度と均一性に徹底的にこだわった、大変ぜいたくなコーン式グラインダーだ。

かっこいいぞ! コーン(円錐)式グラインダー!

●グラインダーの方式は3種類

1.コーン式
刃を利用して豆を細かく切り刻む。低速回転でひくことで摩擦熱があまり発生しない。刃の形が円錐状なので挽いた豆の均一性が担保される

2.うす式
うすを上下でかみあわせてすりつぶすタイプ。切っていくわけではないので均一性は担保されるが回転するときの摩擦熱がコーヒー豆に伝わりやすい。香りの高さでいうと△

3.プロペラ式
ブレード2枚が回って粉砕する。挽いた豆の均一性も難あり、担保できない。高速で回るので摩擦熱が発生するのでコーヒーの香りが飛んでいくことがある。ただし安価

●極細挽き~粗挽きまで全対応

 新製品最大の特徴は豆の挽き方のレンジが広いこと。粒度は18段階から設定できるけど、それより「極細挽きから粗挽きまで全対応」が強みだ。

エスプレッソ、ドリップ、フレンチプレスがいける

 コーヒーには抽出方法によって適した挽き方、粒度がある。金属のフィルターで濾すフレンチプレスなら粗挽き、おなじく布のフィルターで濾すネルドリップなら中粗挽き、圧力をかけてギュッと短時間で抽出するエスプレッソなら極細挽きなど。

 デロンギは今までカッター式・うす式・コーン式の製品をそれぞれ出していたのだけど、粒度の範囲が違い、粗挽きから極細挽きまで全幅対応しているモデルはなかった。

 新製品の粒度レンジを数値であらわすと200~1000ミクロン級。従来品を上回るのはもちろん、同社によれば、競合製品と比べても幅が広い。競合製品の場合は粒度を44段階と細かく設定できるが、粒度の幅はせいぜい300~900ミクロン級だったという。

★従来品の粒度傾向
1.カッター式 粗挽き~中挽き
2.うす式   中挽き~細挽き
3.コーン式  中挽き~極細挽き

★粒度設定幅
新製品  200~1000ミクロン
旧製品  300~800ミクロン
競合製品 300~900ミクロン
(デロンギ調べ)

粗挽き(18)

中挽き(12)

中細挽き(7)

極細挽き(1)

 従来品に比べて豆の均一性も高めているそうだ。挽いたとき粒の大きさに偏りが出ると雑味につながるため、高い均一性はおいしいコーヒーの条件になるという。

 なおデロンギらしい工夫としては、同社製エスプレッソマシンのフィルターホルダーをガチャンと取りつけられる。挽いた豆を直接ホルダーに落とせて便利だ。

エスプレッソマシン用のフィルターホルダーをセットできる

挽いた粉をそのままエスプレッソマシンにセット可能

●業界最大の液晶画面

 操作部には業界最大という2.1型液晶ディスプレイ付き。1回に挽く量(1杯~14杯)、豆の濃さ(3段階)を、画面で見ながら選べる。

操作部にデカい画面があって、見やすい

1回に挽く量、豆の濃さを表示してあるぞ

 挽いた豆を落とすガラス容器・コンテナはゴムのフタがついていて、挽いた後に保存容器として使える便利仕様。コンテナの下にはアルミトレイがあり、粉が舞ってしまったときなど、簡単に取りはずしてパッパと払えるので、ゴミがたまりづらくなっている。

きれいな円錐を描いたコーヒー豆

フタつきで保存容器になるコンテナ

粉がこぼれたらトレイを取ってパパッと

 上部の挽き刃は、とりはずして付属のブラシでお手入れ可能だ。

いままでと同じように挽き刃もはずせる

●家でエスプレッソ抽出したいなら

 高いだけあり、かなり上級者向けの製品だ。ただハンドドリップ用の豆を挽きたいだけならふつうのコーヒーミルを買えばいいわけだけど、家でフレンチプレスをやりたいとかエスプレッソを飲みたいという気持ちがあるならまず選択肢に入れるべき製品だ。逆に言うとここからコーヒー沼に入っていくこともできるわけで、つまりその、なんだ、困るよね……。

型番:KG521J-M
方式:コーン式
挽き方:極細挽きから粗挽きまで18段階
操作画面:2.1型液晶ディスプレイ
杯数:1~14杯
豆量設定:3段階
豆ホッパー容量:350g
コンテナ容量:120g
消費電力:150W
サイズ:幅155×奥行き255×高さ385mm
重量:2.8kg
付属品:クリーニングブラシ


■関連サイト



書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味のカジメン。今年パパに進化する予定です。Facebookでおたより募集中

人気の記事:
谷川俊太郎さん オタクな素顔」「爆売れ高級トースターで“アップルの呪縛”解けた」「常識破りの成功 映画館に革命を」「小さな胸、折れない心 feastハヤカワ五味

メーカーから訂正があったため一部表現を修正しました。(8月29日)

カテゴリートップへ