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最新端末を丸裸! スマートフォン定点観測 第187回

1万円台のエントリーSIMフリースマホのカメラをチェック!

2017年08月07日 12時00分更新

文● 小林 誠 編集● ASCII編集部

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 FLEAZ Que、TOMMY、Priori 4という1万円台で購入できるSIMフリーのスマホを比較しているスマホ定点観測。今回はカメラ比較。画素数は最大でも8メガ。スペックだけならやや見劣りするが、実際の写真は?

FLEAZ Que

Tommy

Priori 4

ここまでPriori 4がややリードも突出した機種は無し

 税込み1万円台で購入できるSIMフリーの格安スマホ3機種、コヴィア(goo Simsellerで販売)「FLEAZ Que」、Wiko「Tommy」、FREETEL「Priori 4」を比較してきたが、初回はスペック、料金それぞれ一長一短で引き分け。前回のスピードチェックは安定して高成績を残したPriori 4を勝利とした。

 というわけで現在はPriori 4が一歩リード。しかし3機種とも突出した機能があるわけでもなく、差がつきにくい展開。カメラで独自性をアピールできるか。まずはカメラの主要スペックから。

  FLEAZ Que Tommy Priori 4
アウトカメラ画素数 500万画素 800万画素 800万画素
アウトカメラF値 2.8 2 2
インカメラ画素数 500万画素 500万画素 500万画素
インカメラF値 2.8 2.3 2.4
動画と静止画の同時撮影
動画最大サイズ フルHD HD HD
シーン設定の有無 ×
露出補正 ×
ホワイトバランス調整 ×

 格安のSIMフリースマホとはいえ、アウトカメラの画素数は10メガ以上が一般的。だが、この3機種は最大でも8メガ、FLEAZ Queは5メガだ。もちろん画素数はこの程度でも十分という部分もあり、写真の画質を決めるのはレンズなど他の要素が大きいとは言え、高画素のセンサーを搭載するスマホほど高性能・高画質なカメラ機能なのも確かだ。

 インカメラは3機種とも5メガ。以前のエントリースマホだと、2メガやそれ以下などの画素数のケースも増えたが、自撮り重視の昨今、この程度の数字は当たり前になっている。

 写真の明るさを決めるレンズのF値はTommyとPriori 4がよく、FLEAZ Queは厳しそう。一方でFLEAZ QueはフルHDの動画を撮影可能(微細動画に設定する)。マニュアル設定を見ると、FLEAZ Que、Priori 4は手動で設定可能だが、Tommyはオートのみ。

 スペックだけを見るとFLEAZ Queが苦戦しそうだが、実際はどうだろうか。

カメラの起動時間では意外? FLEAZ Queがリード

 まずはカメラの起動時間をチェック。ロック画面からと、ホーム画面からの起動時間を計測した。どちらもカメラアイコンに触れたときから、撮影が可能になるまで(画面にアイコンがすべて表示され、明るさが安定するまで)。

 計測は3回。動画に撮影して時間を計測している。カメラの設定は初期設定のままだ。

  FLEAZ Que Tommy Priori 4
カメラ起動速度 1秒26~1秒47
(ロック画面)
2秒74~3秒10
(ロック画面)
1秒40~2秒30
(ロック画面)
0秒77~1秒04
(ロック画面)
2秒23~2秒30
(ロック画面)
1秒30~1秒36
(ロック画面)

 3機種ともロック画面でアイコンをスワイプして起動する。結果、ロック画面からも、ホーム画面からもFLEAZ Queがリード。体感的に速いとまでは思わなかったが、ストレスを感じるほどでもなく、起動時間も安定していた。

 続くのはPriori 4だが、ロック画面で一度2秒台になってしまい足を引っ張った。体感的にかなり遅く感じたのがTommy。実際計測時間を見ても他の2機種より1秒程度時間がかかっている。

撮影間隔をチェックすると
ZSD有効のFLEAZ Queが一応のリード

 続いてカメラの撮影間隔を見てみる。こちらはシャッターボタンを押してからシャッターが切れるまでの時間を比較する。ただしあまりにも速いため、シャッターを切る様子を動画に撮影し、カメラの画面に表示されるアニメーションやアイコンの動きを見ながら撮影間隔を判断している。こちらもカメラは初期設定のまま、3回計測した。

  FLEAZ Que Tommy Priori 4
カメラ撮影間隔 0秒17~0秒40 1秒37~1秒66 0秒13~0秒84

 今回もFLEAZ Queが勝利。これはZSD(ゼロシャッター機能)が設定で最初から有効になっているため。Priori 4も最速で0秒13を出したのだが、これはイレギュラーで常に速いのはFLEAZ Que。タップした瞬間に撮影が可能で、タイムラグをまったく感じない。シャッターを切るだけならとても気持ちがいい。ただしピンボケ写真も増える。

 Priori 4は実際はシャッターボタンを押してからワンテンポ遅れる感じ。プレビューのアイコンを見て計測時間を出したので、0秒13というのはアイコンの動きがずれていたようだ。Tommyはピントが合うまでに時間がかかる。ピントの合った写真は撮れるものの、シャッターボタンを押してから切るまでに間がある。

実写比較では予想以上にキレイという印象の3機種

 ここからは実写比較。まずは同じ被写体を撮影し、デジタル一眼(キヤノン・EOS 70D)と比較する。各スマホのカメラの設定は初期設定のままでオートで撮影している。

FLEAZ Que

Tommy

Priori 4

EOS 70D

 これは……というレベルの写真はなし。ただ、FLEAZ QueはPCのモニターで見ると人形の毛が潰れているのが分かる。もっともスマホの画面で見るのなら気にならないだろう。むしろ気になるのはカーテンの色が緑がかっていることか。

 Tommyは人形やタイルの色が濃いめに出ている。とくに赤、オレンジの色が強いようだ。一方でカーテンの色はやや明るめで白い。Priori 4は逆にカーテンの色はデジイチに近い。だが、ウサギの人形が全体的に緑っぽいのが残念。カラータイルの色は濃いめ。4枚のなかでは暗めに見える。それぞれ良いところはあるが、マイナス箇所もあり引き分けとした。

インカメラ比較ではダントツでPriori 4だ!

 続いてはインカメラで撮影を行う。被写体に新たにシーラカンスの人形を加えた。今度はデジイチとの比較はしていない。

FLEAZ Que

Tommy

Priori 4

 FLEAZ Queは全体的に霞がかかったような、薄い色の画像になってしまった。ピンクの花が白い。逆にTommyの画像はエフェクトで「モダン」といった加工を選んだような懐かしい印象の画像に。カーテンは赤味があり、シーラカンスの青は濃い。

 この比較ではPriori 4が1番キレイで自然な画像。撮影の姿勢のせいで筆者の影がかかっているものの、それでも明るく、アウトカメラよりキレイなのでは? と思うほど。

暗所撮影でエントリースマホの弱点が露わに
3機種ともやや厳しい結果に

 さらに暗所撮影を行なう。こちらは一般的なオフィスよりもかなり暗めの150ルクス程度の場所で被写体を撮影。再びアウトカメラを使い、デジイチとも比較。なおフラッシュやライトはオフにしている。

FLEAZ Que

Tommy

Priori 4

EOS 70D

 スマホ3機種はかなり暗い写真になっている。そのため引き分けと判断した。FLEAZ Queは背景が緑がかっており、床がやや赤い。Tommyはより床が赤く、3機種のなかでは若干だが全体的に明るめ。ただしTommyは撮影画面のほうが暗く、操作しにくかった。Priori 4はFLEAZ Queよりも背景が緑っぽく、床は白いものの緑が少し混じったかのよう。

インカメラで暗所撮影!
Tommyはアウトカメラよりもキレイ!?

 引き続きインカメラで暗所撮影を行なう。なお被写体にいつもはシーラカンスの人形を加えるのだが忘れてしまい、アウトカメラと同じ被写体となる。

FLEAZ Que

Tommy

Priori 4

 こちらはTommyの画像がキレイだ。アウトカメラよりも明るくキレイに撮れてしまった。背景は若干緑っぽいがグレイ、床も白くかなり実物に近い。FLEAZ Queも惜しかったが、背景の半分がかなり緑色。床も薄い茶、オレンジのような色に見える。Priori 4は暗い写真に。これはこれで自然だが、床の画質の粗さが目立ってしまった。

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