撮った後でピントや絞りを調整できる
「ワイドアパチャー」を使ってみる
P10 Plusのスマホとしての概要や使い勝手はすでに多くのメディアに紹介されているので、ここではライカと共同開発された第2世代のSUMMILUX-H1:1.8/27 ASPHの撮影結果や先進の「後からピント」や「後から絞り」の「ワイドアパチャー効果」、そして今後の課題を考えてみたい。
ワイドアパチャー効果に関しては、以前、本連載で紹介した「HUAWEI P9」の内容も参照していただきたいが、。2016年6月のP9と年末のmate9では「Leica SUMMARIT H1:2.2/27 ASPH」とスマホカメラの側に記述されていたレンズ名が、P10 Plusでは「SUMMILUX-H1:1.8/27 ASPH」という表記に変更されている。
「SUMMARIT」から「SUMMILUX」に名称が変わり、レンズの明るさも2.2から1.8に向上している。値段がレンズのすべてではなく、実際のLeicaカメラ用のレンズのラインナップと直接関係はないと思うが、より高級なSUMMILUXという名を冠した限り、何か違いがあるのかもしれないという期待感が否が応でもP10 Plusの商品価値を高めていることは確かだろう。
P9登場時から話題のワイドアパチャー効果は、一言で言ってしまえば、前述した「後からピント」「後から絞り」の変更ができるというのが一番的確な表現だ。
P10 Plusを使用して写真を撮る際に、「ワイドアパチャーモード」を選択してから撮影することで、撮影後のギャラリーに入っている写真にもその効果を後から利用できる。
撮影後、ワイドアパチャーモードで撮影した写真に触れると、最上段にカメラの絞りのマークの形をした“絞りアイコン”が表示される。
そのアイコンをタップすることで、すでに規定のピント位置、絞りで撮影した写真のピント位置や絞り値を自由に変更できるのだ。
まず上段の絞りアイコンにタップした時に表示されるのは、フォーカス位置を示す黄色い円とその中にレンズ絞りのアイコン、写真の欄外下には絞り値を0.95~16まで切り替えられるスライドバーだ。
実際にスライドバーをスライドしてみると、写真上の絞りアイコンがアニメーションして開閉するのが分かる。
この“フォーカス位置”と“絞り値”の2つの要素を利用して、すでに撮影済みの写真の見栄えを自由自在に変更できるのだ。
まず最初はフォーカス位置を我が家の愛犬「ボビー」の鼻先に設定して、絞り値のスライドバーを左一杯までスライドさせて絞り値0.95に設定すると、ボビーのフォーカス位置である鼻の周囲を除いて、背景はもちろんのこと、顔の輪郭までもが綺麗にボケているのが分かるだろう。
続いて、フォーカス位置は鼻のまま、絞り値を右側一杯の16まで絞ると、パンフォーカスになり、写真全体にピントの合った典型的なスマホ型の写真を表示できる。もちろん、気に入った写真ができ上がればいつでも保管できる。
では、フォーカス位置による写真の変化を見てみよう。まず、フォーカス位置を鼻から少し下の胸の辺りに移動し、絞り値を2.8くらいに設定。
しかし、この程度ではほとんどフォーカス位置による画像の変化は見られないが、背景のボケ方が自然な雰囲気となった
続いて絞り値は同じで、フォーカス位置をボビーの揃えた両手の延長上の手前一杯まで移動すると、ボビーも背景も柔らかくボケた写真を作り出すことが可能だ。
最後に、絞り値は同じで、フォーカス位置を背景の扉の横、廊下の壁辺りに移動する。
フォーカスポイントから少し離れた扉、中間にいるボビーだが、手前のフローリングの床の順番でボケ度が高くなっていくのが分かる。
このように、ワイドアパチャー効果を利用することで、撮影済みの写真のピント位置や絞り値を事後に自由に変更して、最適の写真ができ上がったら、画面の右上にあるフロッピーディスクアイコンをタップして、ピント、絞り値を調整済みのベストな写真をメモリーに書き出す事ができる。
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