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Apple Geeks 第187回

NFCの世界を一変させる!? iOS 11「Core NFC」の提供開始が意味するもの

2017年07月14日 10時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobu)、編集●ハイサイ比嘉

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「Core NFC」でできること

 本稿執筆点では明確にされていないが、公開されている開発者向け資料から判断するかぎり、決済系サービスに使われるセキュリティ機構にはCore NFCから自由にアクセスできない。Apple Payと連携するカード管理アプリと通信するフレームワークも公開されておらず、Card Emulationおよびセキュアエレメントへのアクセスは原則非公開(JR東日本のSuicaアプリは例外的な存在)ということからも、Apple Pay以外の決済系エコシステムが登場することは考えにくい。

Card Emulationおよびセキュアエレメントへのアクセスは原則非公開なことに変わりなく、Apple Pay以外の決済系エコシステムでは活用できそうにない

Core NFCを利用したアプリのNFCタグ読み取り画面。アプリはフォアグラウンドで起動しておかなければならない

 では、Core NFCが果たす機能・役割とはどのようなものだろう? 前項の解説を踏まえ、もう少し具体的にユースケースを検討してみよう。

 まず考えられるのは、ポスターなど掲示物を利用したWウェブへの誘導。裏側にNFCタグを貼り付けておき、そこにiPhoneをタッチしてURLを伝えるという使いかただ。NFCタグのユーザーエリアは一般的に144バイトで情報量はわずかだが、単価は100円以下と十分"使い捨て"できるレベル。144バイトあればURL以外にも若干の情報を伝えることができるだろうし、そのままセキュアなWEBサイトへ誘導してユーザー登録させることもできるだろう。スタンプラリー的な用途にも使えるはずだ。

 NFCタグの商業利用はまだ夜明け前の状況だが、ここ日本でも実証実験は始まっている。今年2月には宅配ピザ大手のピザハット(Pizza Hut)が、NFCタグ入り販促ツール「スマートプレート」を導入、NFC対応スマートフォンをプレート状の小型デバイスにかざすだけで、最新メニューのチェックやクーポンの取得などを行なうことができるというものだ。伊予鉄道が導入したバスの到着予測時間をスマートフォンで確認できる「スマホ バスロケ」も、NFCタグを利用している。

日本でも企業によるNFCタグの実証実験が始まっている

Apple Pay以外にユースケースを拡げた点に注目すべき

 ただし、iOS 11でもそのような使いかたが……と結論付けるのは早計だ。なぜなら、iOS 11ではNFCタグをトリガーとしてアプリを起動させることまではカバーしていない。Android OSでは、OSレベルでNFCタグの検出とNDEFの読み取りをサポートしており、NFCタグにかざすと対応アプリを起動させることができるが、システムレベルでNFCタグをサポートしないiOS 11ではそのような使い方ができない。Core NFCを利用したアプリをフォアグラウンドで起動しておき、NDEFを情報として持つNFCタグを読み取らねばならないのだ。

NFCタグの読み取りは、フォアグラウンドで動作する(Core NFCを利用した)アプリでなければ実行できない仕様だ

 と、Android OSに比べ"やや弱い"iOS 11のNFCサポートだが、それでもApple Pay以外にユースケースを拡げたことは一大転換といえる。対応機種はiPhone 7/7 Plus以降となるが、今秋に発表されるであろう新モデルも当然含まれるだろうし、“Apple Pay専用”というNFCの位置付けはiPhone 7/7 Plusの時点で変更済みと考えれば、将来的にはP2Pのサポートもありうる話だ。まずは、iOS 11正式リリース以降に公開されるであろうCore NFC対応アプリの登場を待ちたい。


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