つや消し加工が施されたアルミニウム素材の美しい外装や、14型の高品質なディスプレーが魅力的なデルの「Inspiron 14 7000」(関連記事)。その洗練されたデザインの筐体には、見た目から想像する以上の高性能が凝縮されている。今回はベンチマーク結果を交えながら、Inspiron 14 7000のパフォーマンスを紹介していこう。
第7世代Coreプロセッサーを搭載
Inspiron 14 7000には、第7世代(Kaby Lake)のCore i5-7200U+内蔵グラフィックスを搭載した「プレミアム」と、Core i5-7200U+GeForce 940MXの「プレミアム・グラフィックス」、Core i7-7500U+GeForce 940MXの「プラチナ」の3種類が基本モデルとして用意されている。今回試したのはそのうち、もっともリーズナブルな「プレミアム」モデルだ。
もう少し詳しくスペックを見ると、プレミアムモデルは、Core i5-7200U(2.50GHz/ターボブースト時最大3.10GHz)、インテル HD グラフィックス 620(CPU内蔵)、8GBメモリー(DDR4 2400MHz)、256GB M.2SSDとなっている。
上位モデルに比べるとビデオカードがディスクリート・グラフィックスではなくCPU内蔵ということで、その性能がどれくらいなのかが気になるところ。また、M.2 SSDとはいっても接続はSATAなので、高速なPCIe接続のものに比べると転送速度が劣ることが予想される。そこで、いくつかのベンチマークを実行してみることにした。
Windows 10のシステム評価ツール「WinSAT.exe」では、次のような結果になった。
WinSAT.exeの結果 | |
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プロセッサ | 7.6 |
メモリ | 7.6 |
グラフィックス | 5.2 |
ディスク | 8.1 |
スコアを見ると、「プロセッサ」や「メモリ」は高性能だが、「グラフィックス」がやや弱いのがわかる。ストレージはSATA接続とはいえ速度の速いSSDなので、HDDに比べるとかなりスコアが高くなっている。
パソコンの総合的なパフォーマンスを見る「PCMark 8」の「Home accelerated」では、下図のようになった。総合スコアが3387となり、標準的なノートPCに比べると高めの性能を持っていることがわかる。
Home accelerated 3.0スコア | |
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Score | 3387 |
Web Browsing - JunglePin | 0.35396s |
Web Browsing - Amazonia | 0.15007s |
Writing | 3.81364s |
Casual Gaming | 25.18fps |
Video Chat playback 1 v2 Accelerated | 29.97fps |
Video Chat encoding v2 Accelerated | 51.33333ms |
Advanced Photo Editing 1 Accelerated | 0.18774s |
さらに「CINEBENCH R15」を試したところ、OpenGLが37.71fps、CPUが326cbとなった。ちなみにCPUのスコア自体は、プラチナモデルが搭載するCore i7-7500Uと比べても大きな差はみられない。
次にグラフィックスの性能を見るため3DMARKを試してみたところ、以下の結果になった。
3DMarkの結果 | |
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Time Spy | 341 |
Fire Strike | 757 |
Sky Diver | 3587 |
Cloud Gate | 5719 |
Ice Storm Extreme | 38626 |
Ice Storm | 51474 |
ミドルレンジパソコン向けの「Sky Diver」が3587、「Cloud Gate」が5719となった。軽めのゲームなら十分快適に遊べるだけの性能はありそうだが、グラフィック処理が重いゲームをプレーするにはやはり少し性能が足りないと思われる。もっとも、ちょっとした写真編集や映像編集、動画鑑賞など、日常的な作業には十分すぎる性能ではある。
ゲーム系のベンチマークもいくつか試してみた。まず、ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver1.4kは次のようになった。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver1.4k | |||
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グラフィック設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
低品質 | 1280×720 | 7789 | とても快適 |
標準品質 | 1280×720 | 6987 | 快適 |
最高品質 | 1280×720 | 5646 | 快適 |
低品質 | 1920×1080 | 4138 | 普通 |
標準品質 | 1920×1080 | 3532 | 普通 |
最高品質 | 1920×1080 | 2716 | やや重い |
同様に「FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編」と「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター ベンチマーク」も試してみた。
FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編 | |||
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1280×720 | 標準品質(ノートPC) | 43980 | 快適 |
1280×720 | 高品質(ノートPC) | 2614 | やや快適 |
1280×720 | 最高品質 | 2016 | 普通 |
1920×1080 | 標準品質(ノートPC) | 2206 | 普通 |
1920×1080 | 高品質(ノートPC) | 1278 | 設定変更が必要 |
1920×1080 | 最高品質 | 1007 | 設定変更が必要 |
FINAL FANTASY XIV:紅蓮の解放者 ベンチマーク | |||
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解像度 | 品質 | スコア | 評価 |
1280×720 | 標準品質(ノートPC) | 2592 | やや快適 |
1280×720 | 高品質(ノートPC) | 2000 | 普通 |
1280×720 | 最高品質 | 1409 | 設定変更が必要 |
1920×1080 | 標準品質(ノートPC) | 1331 | 設定変更が必要 |
1920×1080 | 高品質(ノートPC) | 979 | 動作困難 |
1920×1080 | 最高品質 | 706 | 動作困難 |
フルHDだと動作がやっとという感じだが、解像度と品質をおさえればそこそこ快適にプレーできそうだ。もう少しサクサクとゲームを楽しみたいなら、GeForce 940MXを搭載したプレミアム・グラフィックスやプラチナモデルを選んだ方がいいだろう。GeForce 940MXもゲーム用グラフィックスというわけではないので、大幅なスコア向上が期待できるわけではないが、フルHDでも標準品質くらいならある程度快適に遊べるはずだ。
いずれにしろ、Inspiron 14 7000の用途や利用シーンを考慮すれば、内蔵グラフィックスでも十分すぎる性能だといえる。ウェブブラウジングやメール、Officeなどでビジネス文書作成がメインならプレミアムモデル、写真編集や映像編集などを頻繁に行い、時々ゲームも楽しみたい人は、GeForce 940MXを搭載した「プレミアム・グラフィックス」またはプラチナモデルを選ぶのがよさそうだ。