小~大規模まで“オールフラッシュデータセンター”移行支援、Nimbleも販売開始
HPEが「MSA」「3PAR」などフラッシュストレージ製品群を強化
2017年06月23日 06時00分更新
日本ヒューレット・パッカード(HPE)は6月22日、エントリー向けSAN「HPE MSA 2050/2052」、ミッドレンジ向け「HPE 3PAR StoreServ 9450」オールフラッシュアレイなど、フラッシュストレージ製品群およびソリューションの包括的なアップデートを発表した。小規模から大規模まで“オールフラッシュデータセンター”への移行を支援するとしている。
HPE 3PAR StoreServ 9450は、ミッドレンジ向けFCストレージのハイエンドに位置づけられる製品。旧モデル(3PAR 8450)比でパフォーマンスは70%向上、スケーラビリティは2倍の6PB、3倍のフロントエンド接続(80ホストポート)が可能になっている。また、オールフラッシュストレージをさらに高速化する「HPE 3PAR 3D Cache」技術に対応しており、将来的な次世代のStorage Class MemoryやNVM Express(NVMe)への移行も可能としている。
エントリーレベルSANのHPE MSAでは、第5世代となるHPE MSA 2050/2052がリリースされた。SSD/SASドライブを柔軟に組み合わせられるHPE MSAでは、スナップショットやリモートレプリケーションといった対障害機能も備え、購入しやすい価格帯でアプリケーションの高速化を実現する。新モデルでは前世代比で2倍のパフォーマンスを実現し、ハイブリッドモデルのMSA 2052では40%のコスト削減を実現するとしている。
なお、HPEが今年買収したNimble Storageのオールフラッシュ/ハイブリッドアレイ製品群の提供も開始している。ここにはプライマリフラッシュアレイのほか、バックアップコピーを開発/テストなどのセカンダリアプリケーションで利用するための「Nimble Secondary Flash Array(SFA)」も含まれる。また「Nimble構築サービス」「Veeam+Nimbleインテグレーションサービス」などのプロフェッショナルサービス群も提供を開始する。
データ保護ソリューションも強化されている。「StoreOnce CloudBank」は、バックアップ先にパブリッククラウドやオンプレミスのオブジェクトストレージを利用し、低コストでの長期データ保持を可能にする。発表によると、多くのクラウドバックアップソリューションとは異なり帯域幅要件を99%以上削減するよう設計されており、クラウドベースのストレージコストを、1GB当たり「月平均わずか0.001ドルに低減する」という。
また3PARのフラッシュストレージ顧客向けに標準提供されている「HPE Recovery Manager Central(RMC)」の新版では、StoreOnceリポジトリからのデータリカバリを15倍高速にする「Express Restore」機能が追加された。また、RMCがVeeam Explorerと統合されたことで、メールやドキュメント、データベースのスキーマといったアプリケーションデータを、RMC-V Express Protectのバックアップから直接リカバリできるようになった。
希望小売価格(税抜)は、3PAR StoreServ 9450が2514万6000円から、MSA 2050が140万円から、MSA 2052が180万円から。その他の製品は要見積もり。また、StoreOnce CloudBankは現在試験提供中で、9月から提供を開始する予定。