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「2017 Samsung SSD Forum Japan」レポート

サムスン、年内に第4世代V-NANDの量産を開始

文●ドリル北村/ASCII編集部

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動画配信基盤において
SSDがもたらした恩恵

 DMM.comは、「動画配信基盤においてSSDがもたらした恩恵とは」という講演のなかで、SSDの稼働状況を紹介した。

DMM.comラボ インフラ本部 配信インフラ構築運用部の渡辺宣彦氏がSSD導入事例を紹介

 DMM.comには、約11ペタバイトのオリジンサーバーがあり、すべてSATAのHDDで運用しているという。動画配信においては、6TB SATA×12本構成のサーバーをRAID 6で運用している。

 ところが、コンテンツの高精細化によりファイルサイズが肥大化しており、キャッシュサーバーの大容量化は必須条件に上がっていた。また、速度の遅延がサービスに影響するため、アクセス集中時にも安定した配信環境を構築しなければならないという課題を抱えていた。

 しかし、コンテンツは年間約1PBのペースで増え続けるために、すべてをSSD化することは予算的に厳しい状況だった。そこでストリーミングのキャッシュサーバーとして大容量SSDを導入したところ、性能面を中心にかなりの導入効果を得られたという。

コンテンツのHD化にともない、キャッシュサーバーを大容量化しないと、キャッシュヒット率が上がらなくなった

大規模キャンペーンや新作リリースなどで急増するトラフィックをコントロールする基盤を構築する必要があった

SATA 6TBをRAID 1+0で構成したキャッシュサーバーでは、15分で限界に達してしまう

ところが、3.84TBのRAID 6をSamsungのSSD「PM863a」で構成したキャッシュサーバーでは、遅延が起きなかった

SSDではキャッシュ効率も改善し、キャッシュヒット率が倍以上になった

大規模キャンペーン時のアクセス集中にも耐え、問題が解決した

 DMM.comでは「PM863」を72枚、「PM863a」を200枚使用しているが、1年以上稼働している状態で故障したのは1枚だけだという。

 動画配信のキャッシュサーバーとしてSSDの導入は、オリジンサーバーの負荷軽減に貢献し、外部費用やサーバー構築工数の圧縮にも効果的とのことだ。

SSD市場展望とNAND需要予測

 調査会社のIHSが行なった「SSD市場展望とNAND需要予測」という講演の中で、興味深い資料があった。IoTによりデータ通信量はうなぎのぼりに増加し、保存されるデータ量は5年間で4倍以上になるという。

 具体的には、2015年には6ゼタバイトあった通信量のうち、ストレージされる量は1.5ゼタバイトだったが、2020年には44ゼタバイトの通信量のうちストレージされるデータ量は6.5ゼタバイトになるとのこと。

IHSグローバル 調査部 南川明氏

 そのため、ストレージの容量拡大は必然的なものとなり、GB単価も下落していくと同社は予想している。SSDのGB単価は年率28%で下落し、2020年には1GBあたり0.1ドルになるそうだ。

 この2~3年でSSD向けNANDは、これまでのプレーナ型から3D NANDに急速にシフトし、3D NANDのビットコストは、2017年中にプレーナ型と並ぶ可能性があるという。しかし、3D NANDは供給が追いつかず値上げが続いており、2017年いっぱいは不足感が継続するとみている。

SSDのGB単価は年率28%で下落し、2020年には1GBあたり0.1ドルになる

NANDはSSDが好調のため不足。とくに3D NANDは2017年いっぱいは不足感が継続する

【関連サイト】

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