今回は、Windows 8.1からアップデートを繰り返してきたメーカー製タブレットを対象に、回復パーティションを調べ、不要なものを削除するやり方を解説する。今回テストに用いたのはデルの「Venue 8 Pro」である。
まずは、パーティションなどの状態を確認しておく。これには、コントロールパネルの管理ツールにある「コンピュータの管理」から「記憶域」→「ディスクの管理」と開く。

コンピュータの管理で内蔵ドライブ(ディスク0)のパーティションを表示させたところ。ここでは6つのパーティションが見える
今回のPCでは、「ディスク0」に6つのパーティションがあり、そのうち3つが「回復パーティション」になっていた。また、残り3つのうち、1つはEFIシステムパーティション(UEFIが利用)と、起動ドライブ(Cドライブ)で、残り1つがOEMパーティションになっている。今回は、この回復パーティションとOEMパーティションを調査し、不要なパーティションを削除してCドライブを拡大する。
まずはDiskpartコマンドを起動
Win+Xメニューなどから管理者でコマンドプロンプトを開き、Diskpart.exeを起動し、対象となるディスクの番号を調べる。
LIST DISK
で外部記憶装置(光学ドライブ、HDD、SSD、USBメモリやメモリカードスロットなど)の一覧が表示される。
DISKは、0から始まる番号がつけられる。コマンド結果から対象とするDISKの番号を得る。今回は、先にDISK 0が対象であることが「コンピュータの管理」でわかっているが、そうでない場合、まずLISK DISKコマンドでディスクの一覧を得て、以下のようにDISKを選択したうえでパーティションのリストを見てどのディスクかを判定する。
対象となるDISK番号がわかったら以下のコマンドでパーティション状態を見る。
SELECT DISK 番号
LIST PARTITION
なお、キーワード「PARTITION」は「PART」と略せる。また、SELECT DISKコマンドは1回だけ必要。これを見ると、実際のパーティションは7つあることがわかる。パーティション3がコンピュータの管理では表示されていなかった。
パーティションとボリュームの関係を調べるには、パーティションを選択しDetailコマンドを使う。ボリュームは原則的にパーティションに対応しているが、パーティションは必ずしもボリュームを持つとは限らない。また、LIST VOLUMEコマンドは、DISK、PARTITIONのSELECTコマンドによる選択に関係なく、システム内のすべてのVOLUMEを表示する。
SELECT VOLUMEコマンドを使って特定のボリュームを選択すると、対応するパーティションが自動的に選択状態となる。逆にSELECT PARTITIONコマンドは、対応するボリュームがあれば、それを選択する。この点は混乱しやすいの注意されたい。LISTコマンドで選択中のボリュームやパーティションには、アスタリスクが付くが、ディスクに変更を加えるようなコマンドを実行する場合、SELECTコマンドを直前に再度実行するのが無難だ。
まずは、調べたいパーティションを選択し、DETAILコマンドを使う。まずは、回復パーティションとなっているパーティション6を調べてみることにする
SELECT PART 6
DETAIL PARTITION
実行結果を見ると、パーティション6には、ボリューム3があることがわかる。この状態で、以下のコマンドでボリュームのリストを表示させると、
LIST VOLUME
ボリューム3が選択状態になっていることがわかる。
ボリュームが対応しているということは、パーティション内部がファイルシステムで初期化されていて、エクスプローラーなどで表示可能ということになる。ただし、この時点では、マウントされていないため、エクスプローラーには表示されない。表示させるには2つの方法があり、1つはドライブ文字を割り当てる方法、もう1つは、マウントポイント(空のフォルダ)を指定してマウントする方法である。
ここでは、簡単なドライブ文字を割り当てる方法でエクスプローラーから表示可能にしてみる。そのためには、まだ割り当てられていないドライブ文字を調べる必要がある。Windowsでは基本的にAとBはFDD専用で、HDDやSSDはCドライブから割り当てられる。すでに割り当てられているドライブ文字は、前述のLIST VOLUMEコマンドの実行結果で調べることができる。今回は、CとDが割り当ててあった。このため、割り当てる文字として、最後のアルファベットである「Z」を使う。これは、アンマウントなどを忘れてしまったときに気がつきやすいからだ。
具体的には、ボリュームを選択状態としてASSIGNコマンドを使う。このコマンドを使う場合
SELECT VOLUME 3
ASSIGN LETTER=Z
とする。
これでエクスプローラーを開き、Zドライブを表示させることができる。
ただし、このとき、エクスプローラーの設定で、「保護されているオペレーティングシステムを表示しない」をオフに設定しておく。
設定すると見えていなかったフォルダが表示されるようになる。
しかし、実際にドライブを調べるのには、エクスプローラーでは不便なので、もうひとつ管理者権限でコマンドプロンプトを表示させ、そこからコマンドを使って調査を行なう。DIRコマンドは「DIR /AS」として実行することで、システム属性のフォルダなどを表示できる。
実際、このドライブには、「D:\Recovery\WindowsREというフォルダがあり、ここにウィンドウズイメージファイル(.WIMファイル)が存在していた。その日付を見ると今年の3月で、どうやらCreator's Updateのときに作られたか更新されたファイルのように見える。なので、このパーティション6(ボリューム3)は、削除してはいけないようだ。
では、また、DISKPARTコマンドに戻り、マウントを解除する。その前にZドライブを表示しているエクスプローラーやコマンドプロンプトウィンドウは、他のドライブを表示させるか終了させておく。
ドライブ文字を割り当てた場合のアンマウント処理は、以下のように行なう。
REMOVE LETTER=Z
基本的には、この作業を繰り返して、回復パーティションをひとつひとつ調べていく。
次回は、具体的なパーティションの削除や拡大などを行なってみる。

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