PCゲームの快適プレイに必要なCPUを吟味する
10個のCPUが大激突!Core i5とRyzen 5、Overwatchで有利なのはどっち?
2017年04月28日 11時00分更新
AMDのRyzen 5が発売したことで、3万円前後のCPUでも物理6コア環境が簡単に手に入るようになった。CGレンダリングなどのマルチスレッド処理では強いことはASCII.jpでもテスト済みだが、PCゲーム時の性能はどうだろうか? ということで、今回は人気PCゲームタイトル「Overwatch」のパフォーマンスが最も良いCPUは何かを考えてみたい。インテル製のCore i3~i7と、熱い注目を集めているRyzen 5を真正面から対決させてみた。
検証環境は同一グレードでグラボはGeForce GTX 1080 Tiに
最初に今回準備したCPU、続いて各環境のPCパーツ一覧を紹介する。CPU以外のPCパーツは極力統一し、マザーボードも同メーカーの同グレードのもので揃えた。グラフィックボードはシングル最速のGeForce GTX 1080 TiのOC版(ASUS製)を準備した。メモリーモジュールについてはDDR4-2400で統一している。CPUについては、Ryzen 5の競合価格帯であるCore i3-7350K~Core i5-7600Kまでと、購入者が多いCore i7-7700Kをひとつの指標として混ぜてみた。
【インテル CPU】
Core i7-7700K(4.2GHz、最大4.5GHz) 実売価格 4万円前後
Core i5-7600K(3.8GHz、最大4.2GHz) 実売価格 2万9000円前後
Core i5-7600(3.5GHz、最大4.1GHz) 実売価格 2万7000円前後
Core i5-7500(3.4GHz、最大3.8GHz) 実売価格 2万4000円前後
Core i5-7400(3GHz、最大3.5GHz) 実売価格 2万2000円前後
Core i3-7350K(4.2GHz) 実売価格 2万1000円前後
【AMD CPU】
Ryzen 5 1600X(3.6GHz、最大4GHz) 実売価格 3万3000円前後
Ryzen 5 1600(3.2GHz、最大3.6GHz) 実売価格 3万円前後
Ryzen 5 1500X(3.5GHz、最大3.7GHz) 実売価格 2万6000円前後
Ryzen 5 1400(3.2GHz、最大3.4GHz) 実売価格 2万2000円前後
【その他の環境】
CPUクーラー:ENERMAX「ETS-N31-02」
マザーボード:ASUS「PRIME Z270-A」(Intel Z270)、ASUS「PRIME X370-PRO」(AMD X370)
メモリー:G.Skill「Trident Z RGB F4-2400C15D-16GTZR」(DDR4-2133、XMP適用時2400)
グラフィックボード:ASUS「ROG-STRIX-GTX1080TI-O11G-GAMING」(GeForce GTX 1080 Ti OC)
ストレージ:Samsung「960 EVO M.2 MZ-V6E500B/IT」(NVMe M.2、500GB SSD)
電源ユニット:Cooler Master「V650 Semi-Modular RS650-AMAAG1-JP」(650W、80PLUS GOLD)
OS:Windows 10 Pro 64bit版(Creators Update適用)
画質設定でGPU負荷を変えて解像度別にテスト
今回使用したゲームは「Overwatch」1本のみだ。他のゲームでも試したかったところだが、10個もCPUをとっかえひっかえテストしていると、ゲーム側のDRMチェックで起動しなくなるゲームが続出。その中でテストを完走できたのがOverwatchだけだったのだ。今回はテストから原稿アップまでの時間が限られているため、Overwatchだけでご勘弁頂きたい。
テストはマップ“King's Row”を使ったBotマッチをプレイしたときのフレームレートを「Fraps」で測定した。解像度はフルHD(1920×1080ドット)、WQHD(2560×1440ドット)、4K(3840×2160ドット)の3通り。そして、画質は一番高い“エピック”および下から2番目の“中”設定を使用し、ともにレンダー・スケールは100%固定とした。
画質を2種類検証した理由は、エピック設定ではGPU負荷がボトルネックになるためだ。画質“中”設定だとテクスチャーの荒れも目立たず、かつGPU負荷が99%未満になる時間もかなり確保できる。