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「個人向けにカスタマイズ」は今後のオーディオのひとつ方向性

この効果は絶大、期待の新技術EXOFIELDを体験した

2017年04月07日 13時00分更新

文● 小林 編集●ASCII

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正式発表に向けて、まだまだ進化は続く

 EXOFIELDの音質を高めるための努力は今も進んでおり、正式発表までにまだまだ改善がなされる見込みだという。

 効果は絶大と感じるEXOFIELDだが、もちろん課題がないわけではない。その一つが、特性を計測のために、専用の部屋が必要になる点だ。今回は新子安にあるJVCケンウッドの音質検討ルームで取材したが、同程度の環境が必要となると、ハードルが上がる。その効果は、体験すれば必ず分かるが、普通のユーザーが体験しにいく手間暇を割いていいと思わせるための努力は、これまでの製品にないほど必要だろう。

 計測場所が限られる理由の一つは、騒音の問題ということだった。もうひとつ注意したいのは、計測した部屋の広さや音響特性などもそのまま反映されてしまう点だろう。「適当な場所での計測では納得できない」というユーザーもきっと出てくる。ここは開発サイドも理解しているだろうが、実際にビジネスとして軌道に乗せるには、どこで計測するかが、一番の肝になりそうだ。

取材に応じてくれたJVCケンウッド 事業推進統括部 新規事業推進室長の江島健二氏、メディア事業部技術統括部 開発部 3グループ チーフの小西正也氏、メディア事業部 プロダクツ事業統括部 プロダクツ・マネージメント部 シニアスペシャリストの斉藤靖之氏

 取材を通じて実感したのは、音響の技術はこれからもっともっと進歩していくということだ。オーディオは進化が止まった技術と思ったら大間違いだ。処理性能の向上や計測技術の進化によって、様々なことができるようになっている。原音とは何かも問われている。 こうした信号処理技術では、入力した元の信号を積極的に加工してリスナーに届けるため、Hi-Fiや原音再生とは少し異なるアプローチにはなる。だから「正しい音ではない」という感想を持つ人もいるかもしれない。しかし、体感してみるとよりリアルなのは、信号処理を経たほうだ。

 今後はヘッドフォンでもこうした信号処理が重要になっていくだろう。EXOFIELDは、いわばAVアンプにおける音場補正機能のようなもので、ヘッドフォン再生では、今後「当たり前になくてはならないもの」になっていくかもしれない。

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