スイスの高級時計ブランドが並ぶ「バーゼルワールド2017」に、初めてサムスン電子がブースを出展。スマートウォッチ発の企業がバーゼルに殴り込みをかけるという快挙を成し遂げました。さっそく現地での様子をレポートします。
Gear S3のコンセプトモデルなどを展示
バーゼルワールドはスイスの時計や宝飾品が中心の世界最大の展示会です。会場に入ると、タグ・ホイヤー、ブルガリ、パテック・フィリップ、ロレックスやオメガといった高級ブランドが大きなブースを構えています。
しかし、近年では腕時計市場にアップルやサムスン電子などが参入し、スマートウォッチの存在感が拡大。2016年にはドゥ・グリソゴノがサムスン電子とのコラボモデルを発表し、従来型腕時計にスマート機能を搭載したコネクテッドウォッチも急増するなど、スイスのブランドも高い関心を示しています。
バーゼルワールド2017でのサムスン電子ブースは2階に相当するホール1.1で、カシオやセイコーといった日本企業が近くにあります。それほど悪い場所ではないものの、初出展のためか大きな通路からは外れた位置にあります。
ブース内部は、まさに高級時計売り場といった様子。IT系の展示会でもこれに近い展示は見たことがありますが、バーゼルではそれをさらに本格化していました。
展示した製品は「Gear S3」が中心で、新モデルが登場したわけではありません。しかし、Gear S3のデザイン工程に関わったことで知られる、スイスの著名時計デザイナーYvan Arpa氏によるコンセプトモデルを公開。伝統的なスイス時計と最新のスマートテクノロジーの融合を表現していました。
インテルもブースを出展
インテルブースはちょっと目立たない位置だったものの、ブース内にはインテルのAtomプロセッサーを搭載したタグ・ホイヤーの最新モデル「コネクテッド モジュラー45」が並んでいました。
Android Wear採用モデルのSoCとしては、クアルコム製が多いのが現実です。そこでインテルとしても、タグ・ホイヤーを皮切りに、スイスの時計ブランドに対してAtomプロセッサーを売り込んでいきたい思惑が感じられます。
バーゼルワールド2017で、スマートウォッチ、コネクテッドウォッチは確実に勢力を拡大しています。その中で、家電やPCのイメージが強いサムスン電子とインテルがどこまで存在感を拡大していけるかが、来年に向けての課題といえるでしょう。
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