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2017年の時計業界を展望!「バーゼルワールド2017」レポート 第6回

ついにサムスンがBaselworldに出展、時計業界にGalaxyをアピール!

2017年03月31日 12時00分更新

文● 山口健太

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 スイスの高級時計ブランドが並ぶ「バーゼルワールド2017」に、初めてサムスン電子がブースを出展。スマートウォッチ発の企業がバーゼルに殴り込みをかけるという快挙を成し遂げました。さっそく現地での様子をレポートします。

バーゼルワールド2017で初めてサムスン電子がブースを出展した

Gear S3のコンセプトモデルなどを展示

 バーゼルワールドはスイスの時計や宝飾品が中心の世界最大の展示会です。会場に入ると、タグ・ホイヤー、ブルガリ、パテック・フィリップ、ロレックスやオメガといった高級ブランドが大きなブースを構えています。

高級ブランドが中心を占めるバーゼルワールド会場

 しかし、近年では腕時計市場にアップルやサムスン電子などが参入し、スマートウォッチの存在感が拡大。2016年にはドゥ・グリソゴノがサムスン電子とのコラボモデルを発表し、従来型腕時計にスマート機能を搭載したコネクテッドウォッチも急増するなど、スイスのブランドも高い関心を示しています。

ドゥ・グリソゴノは「Gear S2」の高級モデルを発表したことも(写真はバーゼルワールド2016にて撮影)

 バーゼルワールド2017でのサムスン電子ブースは2階に相当するホール1.1で、カシオやセイコーといった日本企業が近くにあります。それほど悪い場所ではないものの、初出展のためか大きな通路からは外れた位置にあります。

 ブース内部は、まさに高級時計売り場といった様子。IT系の展示会でもこれに近い展示は見たことがありますが、バーゼルではそれをさらに本格化していました。

サムスン電子ブースの内部

高級時計売り場といった様子だ

 展示した製品は「Gear S3」が中心で、新モデルが登場したわけではありません。しかし、Gear S3のデザイン工程に関わったことで知られる、スイスの著名時計デザイナーYvan Arpa氏によるコンセプトモデルを公開。伝統的なスイス時計と最新のスマートテクノロジーの融合を表現していました。

Gear S3にスイスの伝統的な機械式ムーブメントを融合したコンセプト

懐中時計とGear S3を融合したコンセプトモデルも

こちらはインダストリアルデザイナーのArik Levy氏とのコラボによるバンド

インテルもブースを出展

 インテルブースはちょっと目立たない位置だったものの、ブース内にはインテルのAtomプロセッサーを搭載したタグ・ホイヤーの最新モデル「コネクテッド モジュラー45」が並んでいました。

Baselworld 2017のインテルブース

AtomとAndroid Wearを搭載したタグ・ホイヤーの最新モデル

 Android Wear採用モデルのSoCとしては、クアルコム製が多いのが現実です。そこでインテルとしても、タグ・ホイヤーを皮切りに、スイスの時計ブランドに対してAtomプロセッサーを売り込んでいきたい思惑が感じられます。

製品展示よりは商談がメインのブースだった

 バーゼルワールド2017で、スマートウォッチ、コネクテッドウォッチは確実に勢力を拡大しています。その中で、家電やPCのイメージが強いサムスン電子とインテルがどこまで存在感を拡大していけるかが、来年に向けての課題といえるでしょう。

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