NECプラットフォームズはIEEE802.11ac対応3×4接続の無線LANルーター「Aterm WG1900HP」を4月13日に発売する。予想実売価格は1万3000円前後。通信速度の理論値は1300Mbps+600Mbps。600Mbpsを実現するには、子機側が256QAMに対応している必要がある。
本機は従来機と同じく、同社が「極技」(きわみわざ)と呼称する基板内の電磁ノイズを抑制する「μEBG」、世界最小クラスの高性能アンテナ「μSRアンテナ」を内蔵。サイズは約33(W)×110(D)×169.5(H)ミリ。重量は本体のみで約400グラムと、小型筐体を維持している。
最大の特徴は受信アンテナが送信アンテナよりもひとつ多い、3×4接続対応というところ。同社がWG1900HPを1台親機とし、もう1台を子機として接続した際の通信速度と、子機側を3×3にした場合とを比較したところ、最大約53%スループット値が向上したという。接続する機器の数、性能にも左右されるが、受信アンテナ数が多くなることで、受信効率が3×3接続対応の無線LANルーターよりも高くなるようだ。
また、オートチャンネルセレクトが2.4GHzのみ、本体動作時にも機能するようになった。従来機同様、本体起動時は2.4GHz帯、5GHz帯どちらも空いているチャンネルに自動で移動する。同社はGalaxy S6を使ってWG1900HPに2.4GHzに接続し、意図的に電波干渉を発生させ、オートチャンネルセレクト有効時と、非有効時の速度低下を比較。オートチャンネルセレクト有効時は、電波干渉発生後、一度も本体の再起動しない場合、非有効時よりも約152%通信速度が改善するとしている。
MU-MIMO、ビームフォーミング、バンドステアリング、中継器機能、他メーカーのルーターからSSIDや暗号化キーを引き継げる「Wi-Fi引っ越し機能」、見えて安心ネットなどは、従来機と同じように備える。
さらに、同社はIEEE802.11ac、2×2接続に対応する「Aterm WG1200HP2」をWG1900HPと同日の4月13日に発売する。通信速度の理論値は867Mbps+300Mbps。予想実売価格は8500円前後。
本機はすでに販売中の「Aterm WG1200HP」の後継モデル。従来機からの違いは、MU-MIMO、バンドステアリング、オートチャンネルセレクト、Wi-Fi引っ越し、見えて安心ネット対応となる。iPhone 7は非対応だが、最近のAndroidスマホは、Wi-Fiが2×2接続、MU-MIMO対応が増えてきているので、多機能でコスパに優れた製品といえる。