このページの本文へ

40Gファブリックにも対応、“ハイパフォーマンス構成のHCI”をアピール

シスコ、HCI「HyperFlex」でオールフラッシュ構成が可能に

2017年03月15日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 シスコシステムズは3月14日、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品の「Cisco HyperFlexシステム」の製品ポートフォリオ拡充を発表した。新たにオールフラッシュ構成ノードや40Gbpsファブリックインターコネクトへの接続に対応し、他社HCIにはないヘビーなワークロードにも対応した“ハイパフォーマンス構成のHCI”をアピールしている。

新しいCisco HyperFlexシステムの構成例(上段:40Gファブリックインターコネクトの「Cisco UCS 6332」×2、下段:「Cisco HyperFlex HX220c オールフラッシュノード」×3)

シスコシステムズ データセンター/バーチャライゼーション事業担当 部長の石田浩之氏

米シスコシステムズ コンピューティングシステム プロダクトグループ プロダクトマネージャーのアニケ・パタンカール(Aniket Patankar)氏

 シスコでは昨年(2016年)4月にHyperFlexを発表し、HCI市場に参入した。HyperFlexは、シスコのUCSサーバー技術をベースに開発されたコンピューティング/ストレージノードと高速なファブリックインターコネクトを組み合わせたハードウェアに、ヴイエムウェアのESXハイパーバイザとvSphere管理ツールによる仮想化基盤、シスコ独自のSDS(Software-Defined Storage)ソフトウェアである「Cisco HX Data Platform(HXDP)」といったソフトウェアスタックを搭載した構成となっている。

 今回はHyperFlexのソフトウェアスタックがバージョンアップ(Ver 2.0)し、ハイパフォーマンスなハードウェアコンポーネントへの対応、管理コンソールのGUI刷新などが行われた。

 まずはオールフラッシュ構成への対応だ。従来からHDD/SSD混載のハイブリッド構成には対応していたが、HyperFlex 2.0でオールフラッシュ構成に対応したチューニングで利用可能になった。1UノードのHX220c、2UノードのHX240cの両方で、オールフラッシュモデルが投入されている。加えて、40Gbps接続のファブリックインターコネクトにも対応したことで、従来ハイブリッドモデル比で6倍のIOPS、5分の1の遅延を実現したという。なお容量密度も3.2倍に拡大している。

オールフラッシュノードと40Gファブリックへの対応で、HCIシステムとして高いパフォーマンスを実現

HyperFlexではインライン重複排除/圧縮を実現しているが、オールフラッシュモデルにおいてもその特徴は維持される

 HyperFlex新版の価格は960万円(税抜)から。この最小構成価格にはHX220c×3ノード、FI6248×2台、HX Data Platformの1年サブスクリプションが含まれる(ハードウェア保守、vCenterのライセンス費などは含まない)。なお従来モデル(ハイブリッド構成モデル)も引き続き販売される。

 シスコシステムズ データセンター/バーチャライゼーション事業担当 部長の石田浩之氏は、HCI市場において、シスコのHyperFlexは特に高速なファブリックまでを統合し、よりシンプルなかたちで提供できることがポイントだと語った。

 「これまでのHCI市場では、あまり『ハイパフォーマンス』に触れるベンダーはなかった。よりシンプルにネットワークも集約して、なおかつハイパフォーマンスであるのがHyperFlexの大きな特徴だ」(石田氏)

 また米シスコのプロダクトマネージャーであるアニケ・パタンカール氏は、HyperFlexシステムの導入企業が昨年のリリースから1年も経たずして1100社を超えたことを紹介。他社HCI製品との差別化ポイントとして、石田氏が述べたネットワーク統合のほかにも、UCSなどシスコの他のデータセンター製品との共通化が図られていること、パフォーマンスを落とさずデータ容量削減を実現していること、VMware対応のデータクローン技術、そしてハードウェアとソフトウェアを一緒に開発していることによる技術的な進化スピードの速さといった点を挙げた。

HCI市場におけるHyperFlexの差別化ポイント

カテゴリートップへ

アクセスランキング

  1. 1位

    デジタル

    実は“無謀な挑戦”だったルーター開発 ヤマハネットワーク製品の30年と2025年新製品を振り返る

  2. 2位

    ITトピック

    「全国的に大変な状況になっています」 盛岡のSIerが見た自治体システム標準化のリアル

  3. 3位

    ゲーム

    信長を研究する東大教授、『信長の野望』を30年ぶりにプレイ 「若い頃だったら確実にハマってた」

  4. 4位

    ゲーム

    92歳 vs 95歳が『鉄拳8』でガチ対決!? “ご長寿eスポーツ大会”が海外でも話題に

  5. 5位

    sponsored

    SIer/ネットワーク技術者こそ知ってほしい! 「AV over IP」がもたらすビジネスチャンス

  6. 6位

    デジタル

    ヤマハ、2026年夏にWi-Fi 7対応アクセスポイント投入 スケルトンモデルも追加で「見せたくなる」デザインに

  7. 7位

    TECH

    NTTが日比谷を「光の街」に。次世代通信技術を都市にインストール

  8. 8位

    ITトピック

    セキュリティ人材の課題は人手不足ではなく「スキル不足」/生成AIのRAG導入が進まない背景/日本で強いインフレ悲観、ほか

  9. 9位

    ビジネス・開発

    10年先にいる「将棋界」から学ぶ 強豪将棋AI・水匠チームが語る“人を超えたAI”との向き合い方

  10. 10位

    TECH

    2026年度始動の「サプライチェーンセキュリティ評価制度」 企業セキュリティが“客観評価”される時代に

集計期間:
2025年12月21日~2025年12月27日
  • 角川アスキー総合研究所