BIZTELとkintoneを活用してスピード開発
コミュニティ発だったヤマハ発動機の販売店向けコールセンター刷新
2017年02月23日 07時00分更新
ヤマハ発動機は2016年、レガシーなコールセンターをリンクのBIZTELとサイボウズのkintoneを活用したクラウドベースのシステムにリプレースした。今回の事例の背景にあるコミュニティでのつながりと、クラウド導入の勘所について、ヤマハ発動機の原子拓氏と、kintone導入を担当したアールスリーインスティテュートの金春利幸氏に聞いた。(聞き手、アスキー大谷イビサ 以下、敬称略)
JAWS-UGのつながりからスタートしたコールセンターのリプレース
大谷:まずはお二人のなりそめから、お聞かせください(笑)。
原子:もともとJAWS-UGつながりです。JAWS-UG磐田の伊藤さんといっしょにお手伝いしたんです。
金春:2015年のAWS Summitですかね。僕がJAWS-UGブースに立っていたときに、原子さんにお手伝いに来てもらったのがきっかけです。
大谷:そこからお仕事につながったということですね。
金春:はい。原子さんから「kintoneやっていますよね」と言われて、そこから相談につながりました。
原子:僕もIT部門のインフラ屋とはいえ、基本的にはデジタルマーケティングの相談とかなんでも受けます。いいところであえば、どことでも組むのがポリシーなので。kintoneは知っていたのですけど、どうやって使えばよいかわかりませんでした。まさかコールセンターでkintoneを使うことになるとは思いませんでしたが(笑)。
「ハイスピードSI」のことは以前から知っていた
大谷:今回のコールセンター刷新のきっかけはどのあたりだったのですか?
原子:もともとは保守切れですね。僕が見始めて15年経つのですが、5年ごとにアプライアンスを入れ替えていたんです。ソフトウェアはVisual Basicで作ったクライアント/サーバーアプリで、すっかり塩漬けされた状態。2017年問題ではないですが、事業部側もノウハウを持った方々が徐々に辞め始めていて、ここで直さないと、もう直せないなと。
大谷:そこでクラウドへの移行を検討したわけですね。
原子:3・11を受けたBCP対応ということで、うちの会社も2011年くらいからクラウドへの移行を表明しています。グループ自体の売り上げが9割海外なので、システムを止める訳にはいかない。だから、出来合いのシステムは基本的にSaaSに移行しているので、今回のコールセンターもクラウドへの移行を考えました。
大谷:コールセンターとなると、PBXやCTIの分野ですよね。
原子:はい。PBXやCTIはやはり高いという問題意識は昔から持っていて、以前、小規模のコールセンターで、クラウドCTIのBIZTEL(リンク)というサービスを試しました。そうしたら1年間、まったくノントラブルで動いてしまった。だから、今回もBIZTELを使って、販売店の問い合わせをデータベース化できるCRMを探しました。
大谷:クラウド型のCRMと言えば、いくつか選択肢がありますが……。
原子:うーん。子会社まで含めて導入を考えると、どうしてもライセンス的に高いし、それほどリッチな機能は必要ない。そこでkintoneをなんとか使えないかと思い、金春さんに相談しました。金春さんのところの「ハイスピードSI」も知っていましたし、すぐ作ってくれるのではないかと(笑)。
この連載の記事
-
第254回
デジタル
日本エアコミューターは“ホームラン事例”で保守派を動かし、成田デンタルは“共感×人を動かす”で社内文化を変えた -
第253回
デジタル
洗脳アプリで基幹システム移行の下地を作ったワイドループ、ワイガヤで職人気質の匠を巻き込んだ北斗型枠製作所 -
第252回
デジタル
kintone AWARD 2024開催! 入り口はひとつ作戦の桜和設備と現場と二人三脚で伴走したLILE THE STYLE -
第251回
デジタル
これからは“攻めの情シス”で行こう! 上司の一言でkintone伴走支援班は突っ走れた -
第250回
デジタル
誰にも求められてなかった「サイボウズ Officeからの引っ越し」 でも設定変更ひとつで評価は一変した -
第249回
デジタル
3000人規模の東電EPのkintone導入 現場主導を貫くためには「危機感」「勇気」「目的」 -
第248回
デジタル
入社1年目の壁を乗り越えろ!新卒社員が踏み出したkintoneマスターへの道 -
第247回
デジタル
Zoomを使わず「全国行脚」 振り返ればこれがkintone浸透の鍵だった -
第246回
デジタル
kintoneで営業報告を5.5倍に 秘訣は「共感を得る仕組み」と「人を動かす仕掛け」 -
第245回
デジタル
限界、自分たちで決めてない? 老舗海苔屋が挑んだkintoneの基幹システム -
第244回
デジタル
予算はないけど効率化はできる 山豊工建がkintoneアプリ作成で心掛けたこと - この連載の一覧へ