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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第390回

業界に痕跡を残して消えたメーカー サウンドカードで華麗に散った4社

2017年01月16日 11時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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買収後に日の目を見た
Advanced Logic Inc.(ALI)

 Advanced Logic Inc.は1991年にカリフォルニアで創立された半導体ベンダーである。同社は低価格向けのサウンドとグラフィックスのコントローラーを手がけており、また販売も主にOEM経由で、自社製のカードというものはリファレンスを除くと存在しない。

 製品としてはサウンド向けがALS007/007SP/100/100+/120/200/300/4000といった型番が、グラフィックス向けではALS 1300/1301/2032/2064/2228/2301/2302/2564/25128/27000といった型番があることがドライバー一覧からわかっている。

 このうちALS007は以下の機能を持つとインターネットアーカイブ上の同社の製品ページには記載されているが、ALS 100も大体同じで、細かい違いがよくわからない。

  • Plug & Play
  • System control logic
  • Digital to analog and analog to digital converters
  • Mixer functions
  • D/A for Synthesizer
  • Game/MIDI port
  • IDE CD-ROM controller

 下の画像がALS100を搭載したサウンドカードの例だが、カードにメーカー名もなく、また小型PCにも搭載できて原価も抑えられるロープロファイル構成になっているあたりからも低価格向けというのがわかる。

ALS100を搭載したサウンドカード。いかにも低価格な作りだが、ATAPI CD-ROMのI/Fとゲームポートがあるため、必要最小限の機能は備えているとはいえる

 皮肉な話だが、同社の製品は独立企業の間はそれほど広くOEMを獲得できたわけではなかった。Crystal SystemsやESS Technologyも同じように低価格なサウンドコントローラーをリリースしてOEM向けに広く販売しており、これらと競合していたからだ。

 ところが同社は1995年に台湾のRealTek Semiconductorに買収される。当初は社名をAdvanced Logic Research(ALR)としたうえで、RealTek子会社として独立して運営されていたが、2002年にRealTek本体に吸収合併される。その結果として、RealTekのAC97コーデックやHDAコーデックが生まれた形だ。

 例えばRealTekの2ch AC97 Codecが“ALC”となっているのは、“Advanced Logic Codec”の略である。そしてRealTekの製品として提供され始めたことで、同社のコーデックはサウンドカードの市場をほぼ根こそぎ奪い取ることになったのはご存知の通り。

 マザーボード上にコーデックが搭載され、バックパネルにSPDIFやオーディオ入出力ジャックが搭載されるようになったことで、単体オーディオカードの市場は急速に縮小することになった。その意味では、旧Advanced Logicの技術が、単体オーディオカードの市場にトドメをさした、とも言えるかもしれない。

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