スマホの料金が「月々1980円」といった、低価格で利用できる“格安スマホ”や“格安SIM”。キャリアから乗り換えてはみたいものの「どこで契約できるの?」「エリアや繋がりなど品質ははどうなの?」といった疑問があり、乗り換えに踏み出せないユーザーも多いはず。
そこで今回は「格安スマホってなに?」という疑問を解決する基本解説から、実際に格安スマホを契約する方法まで紹介していく。
キャリアスマホから格安スマホに乗り換えると
毎月の支払いがなんと2000円前後に激減!
まずは、格安スマホの料金について見てみよう。一例としてテレビCMなどでもよく見かける「楽天モバイル」の料金と、ドコモの代表的な料金プランを比較してみた。
※無料サービスの「楽天でんわ by 楽天モバイル」アプリで電話をかけた場合、通常の電話番号の通話料が30秒/10.8円になる。月々918円の「楽天でんわ5分かけ放題 by 楽天モバイル」を契約すると、5分以内:無料、5分以降:30秒/10.8円になる。
両社とも通信量5GBの最安プランでに統一したが、格安スマホならドコモの約3分の1の料金で利用できる。もし自宅のインターネット回線を「ドコモ光」にしてスマホ料金が1000円ほど割り引かれていたとしても(ドコモのデータMパック場合は月々864円割引)、格安スマホの安さにはかなわない。
ドコモの家族契約やau、ソフトバンクを契約している場合でも、多くの場合は毎月ひとりあたり7000円前後の料金がかかっているはずだ。これらの金額を考えると、格安スマホはかなり安い。また、格安スマホには通信量3GBで月々1728円などの、より安いプランもある。
ひとりでの契約はもちろん、家族3人でスマホ代を月々2万円以上も支払っているなど、家族をもつユーザーにとっては今すぐにでも契約を検討したくなる安さだ。
格安スマホはドコモと同じ全国エリア、有名企業も参入
とはいえ、「格安スマホは安すぎて怪しい」「ドコモやauと違ってエリアが狭いのでは?」と思うユーザーもいるはず。だが、格安スマホの仕組みを知ればその疑問も解決する。
格安スマホの多くは、ドコモが現在サービスしている携帯電話網を、企業が有償で借りて安く提供している。このため、利用できるエリアはドコモと同じ。通話も通信も全国で利用できる。
では、どんな企業が格安スマホをサービスしているのだろうか。格安スマホを提供している企業は2014年からどんどん増え続けており、すべて網羅するのは難しい。だが、知名度の高い下記のサービスを見ただけでも、ある程度知名度のある企業も参入していることがわかるだろう。
■格安スマホを提供している事業者の一例■
・イオンモバイル
・楽天モバイル
・IIJmio
・OCN モバイル ONE
・U-mobile
・BIGLOBE
・LINEモバイル
・DMM mobile
・NifMo
・mineo
・Y!mobile
・UQ mobile
など
ちなみにY!mobileとUQ mobileはそれぞれソフトバンク、auのサブブランドといった位置付けで、月額料金は通信速度などはややキャリア寄り。格安スマホを大ざっぱに飛行機で例えると、LCC(ローコストキャリア)や格安航空券といった立ち位置のサービスだ。通話や通信のエリアは同じだが、サポートやサービスを抑えることで低価格を実現している。詳しくチェックしていこう。
安さには理由がある。通信速度が遅めでサポートが控えめ
格安スマホの利点は、圧倒的な安さに加えて、安心して利用できるエリアの広さだ。だが、安さと引き替えに注意点や不便な点もある。
【格安SIMに乗り換えると変わるコト】
・○圧倒的な安さ
・○つながりやすさやエリアはキャリアと同じ(メールやSNSなら問題なし)
・×通信速度が遅くなることもある
・×手厚いサポートは望めない
・×最新スマホが選べないことがある
・×キャリアメールが使えない
・×支払いは基本クレジットカード
通信速度に関しては、ドコモやau回線では都市部なら50Mbps以上で通信できることも多いのだが、格安スマホの通信速度はそれよりも遅いことが多い。特に、多くの人が利用する平日昼間の12時台は通信速度が遅くなりがち。メールやLINE、Twitterなど通信量の少ないサービスの利用なら問題ないが、外出先でいつでもYouTubeなどの動画を見たいユーザーにとっては、通信速度の遅さが気になることもあるはず。
利用時のサポート窓口も少ない。ほとんどの格安スマホはドコモショップのような全国の店舗窓口を持っておらず、基本的にはメールや電話でのサポートのみとなる。さらに、サポート内容は契約や契約変更手続きなど最低限のもののみで、スマホの使い方や電話帳の移行といった使い方に関するサービスは基本的に有料だ。必要なら、オプションの有料サポートや個別訪問サービスを使うことになる。月々の料金が安いかわりに、最低限のサポート以外は有料というわけだ。
格安スマホ会社が提供するスマートフォンには、ドコモやau、ソフトバンクが取り扱っているアップルの最新端末、iPhone 7シリーズやソニーモバイルのXperiaシリーズ(Xperia J1 Compactは取り扱いあり)、サムスンのGalaxyシリーズといった端末はない。その代わりに、本体価格が1万円台からと低価格スマホのラインアップが充実している。最近のスマホは低価格でもLINEやネット利用にはそれほどストレスを感じないモデルが増えてきている。
最近では、格安スマホでも高性能スマホを使いたい需要も増えてきたことから、高画質カメラを搭載した5万円台のファーウェイ「HUAWEI Mate 9」や、価格と性能のバランスよく、3万円台から手に入るASUS「ZenFone 3」シリーズといったミドル~ハイエンドスマホも登場。もちろん、キャリスマホでおなじみの防水やワンセグ、おサイフケータイといった機能に対応する富士通の「arrows M03」やシャープの「AQUOS mini SH-M03」など、国内メーカーのスマホという選択肢もある。利用目的に合わせて、適度な性能と価格帯のスマホを選ぶのが格安スマホ流だ。
格安スマホの場合、ドコモの「@docomo.ne.jp」やauの「@ezweb.ne.jp」など、いわゆるケータイメールを利用できない。最近ではLINEでの連絡が主流になり、メールもGmailなどを使うユーザーが増えてきた。だが、今でもケータイメールでしか利用できないサービスを使っている場合は注意が必要だ(学校やPTAが古いメール連絡網サービスを使い続けている場合など)。
格安スマホの支払い方法は基本的にクレジットカードのみ。銀行の口座振替も利用できるところは「OCN モバイル ONE」や「楽天モバイル」など少数派だ。
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