キングジムの「テプラ」も、ブラザーの「P-TOUCH」も、カシオの「ネームランド」も、基本的に“ラベルプリンター”という種類の商品は、誰にも頼らずに自前ですべてをやってしまえる“スタンドアローン”なハードウェアとして世の中に登場してきた。
具体的には、最初のラベルプリンターは文字を入力するためのキーボードや、テープ上に文字をレイアウト処理するROM版アプリ、電子回路、液晶スクリーンなど、ラベルを印字するために必要なモノはすべて搭載したパソコン+ミニプリンターのようなイメージの完結型デバイスだった。
最初のラベルプリンターが登場してからすでに30年近い年月が経過したと思うが、今も昔も震源地はブラザーだった。1980年代後半には「P-Touch PC」と呼ばれるパソコンのシリアルポートに接続してラミネートシールを印刷する商品を発売した。
当時の日本では、まだまだパソコンの一般家庭における普及率は低く、当然のごとくP-Touch PCは一切国内販売はされず、筆者はシリコンバレーに出張に行くたびに、その時の最新のモデルを買って帰って来たのを記憶している。
プリンターやスキャナーに代表される、当時“周辺機器”と呼ばれた多くの機器も、今ではその多くはパソコン中心設計から脱却して、クラウドやスマホ中心設計が一般的な時代となった。
今回、筆者が衝動買したのは、そんなラベルプリンターの産みの親でもあるブラザーが発売した、スマホとBluetooth接続できる最新機種である「P-TOUCH CUBE」というハードウェアだ。
P-TOUCH CUBEはBluetooth(Bluetooth 2.1+EDR Class2)対応のiPhoneやAndroidスマホに対応している。従来のパソコンの役目をスマホが担うことになった商品だ。今回、筆者はiPhone 7 Plusを使用して楽しんでみた。
スマホで制作が完結するラベルプリンター「P-TOUCH CUBE」
P-TOUCH CUBEは、女性をメインターゲットにして、家庭や職場におけるファンシーな使い方を啓蒙するハードウェアだが、なぜか不似合いで地味な段ボール箱のパッケージで販売されていた。
パッケージをを開くと、P-TOUCH CUBE本体と、サンプル用の短いテープが2本、取説、保証書、サプライ商品の注文シートなどが同梱されている。
今回、筆者は同梱されているサンプルのラミネートテープ以外に12mm幅の蛍光イエローテープと、ギフトラッピング用のワインレッドリボンの2種類を別途購入した。
P-TOUCH CUBEには標準ではACアダプターは同梱されておらず、オプションとして用意されている。今回、筆者は単4アルカリ乾電池を6本使用することにした。
まず、バッテリーを指示通りの向きに入れ、続いて使用するラミネートテープを装着する。後は、専用アプリをダウンロード導入し、Bluetooth接続を確立すれば、お好みのラベルを印刷する準備は完了だ。
一般的なラベルプリンターと同様、P-TOUCH CUBE本体にも指先で押して印刷済みのラミネートテープを規定の長さでカットするカッター機能がついている。
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