Fitbitのリードが続くウェラブル市場
コンシューマ向け端末から、企業の福利厚生市場まで
最後にウェアラブル端末として、リストバンドカテゴリに触れたい。スマートウォッチの本格離陸が待たれる中、今年はフィットネスバンド大手のFitbitが大きな攻めに出た。
Fitbitは、フィットネスに特化することで消費者にわかりやすいメリットを提供してシェアを伸ばしている。この戦略は、いろいろなことができそうだが、例えば腕にメッセージの通知が来たところでメリットがあるのか? と、消費者がスマートウォッチに二の足を踏むのとは対照的だ。
Fitbitは端末ではなく、データを中核と捉えている。今年はライバルのPebbleの買収を発表したほか、NFC決済技術のCoinも取得した。また、米国では企業が従業員に提供する福利厚生市場も狙っており、もはやコンシューマー向けのガジェットベンダーと見るべきではない。Fitbitは最新のIDCのデータ(2016年第3四半期)で前年同期から11%成長してシェアを23%と拡大。Appleは前年同期から大きなマイナスとなっている。
さて来年2017年はiPhone誕生から10年となる。Appleの力強いカムバックが期待されるほか、Microsoftの「Surface Phone」の登場なるかにも注目だ。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
この連載の記事
-
第342回
スマホ
AR/VRの長すぎる黎明期 「Apple Vision Pro」登場から6ヵ月、2024年Q1は市場はマイナス成長 -
第341回
スマホ
世界で広がる学校でスマホを禁止する動き スマホを使わない時間を子供が持つことに意味がある? -
第340回
スマホ
対米関係悪化後も米国のトップ大学や研究機関に支援を続けるファーウェイの巧みな戦略 -
第339回
スマホ
ビールのハイネケンが“退屈”な折りたたみケータイを提供 Z世代のレトロブームでケータイが人気になる!? -
第338回
スマホ
ファーウェイはクラウドとスマホが好調で大幅利益増と中国国内で復活の状況 -
第337回
スマホ
米司法省、アップルを独禁法違反の疑いで提訴 その中身を整理する -
第336回
スマホ
Nokiaブランドのスマホは今後も出される! バービーとのコラボケータイ、モジュール型などに拡大するHMD -
第335回
スマホ
ファーウェイスマホが中国で好調、次期HarmonyOSではAndroid互換がなくなる!? -
第334回
スマホ
Nokiaのスマホはどうなる!? HMD Globalが自社ブランドのスマホを展開か -
第333回
スマホ
アップルがApp Storeで外部決済サービスを利用可能に ただし手数料は27% -
第332回
スマホ
米国で特許侵害クロ判定で一時は米国で販売停止のApple Watch、修正は認められるか? - この連載の一覧へ