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「ライブ配信メディア完全解剖 〜過去と今、そして未来へ〜」 第15回

博多駅前陥没事故復旧までを一部始終見られた定点カメラの有益性

2016年11月17日 17時00分更新

文● ノダタケオ(Twitter:@noda

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2016年11月9日3時11分頃の様子(NHK NEWS WEBライブ映像より)

 テレビのように「台本や進行がある番組」っぽいものや、個人のユーザーがスマートフォンを目の前に置き「視聴者とのコメントによるコミュニーケーションでトークが進行していくもの」まで、ライブ配信メディアにはさまざまなジャンルのコンテンツがあります。

 そのジャンルのひとつに「定点ライブカメラ」というものがあることをご存知でしょうか。

 「定点ライブカメラ」はテレビの「お天気カメラ」的な存在で「LINE LIVE」「FRESH! by AbemaTV」「YouTube Live」や「Ustream」などで(配信可能時間の制限がないライブ配信メディアを中心に)目にすることができます。

事件事故でその場を伝える定点ライブカメラ

 主要幹線道路の一部が大きく陥没した「博多駅前陥没事故」はさまざまなメディアで伝えられ、注目を集めた大きなニュースのひとつとなりました。

 ニュースでの編集された映像だけでなく、NHKでは、NHK NEWS WEB上で独自のライブストリーミングを利用し「博多駅前陥没事故」の復旧までの様子をリアルタイムに伝え続けました。この定点ライブカメラを目にした方もいらっしゃるかもしれません。

 私自身、この事故の様子が気になり、その時々で「博多駅前陥没事故」の復旧の様子を見守った人の一人でもあります。

 夜を徹してポンプ車が頻繁に出入りし流動化処理土を入れ穴を埋めていく作業、その後、地下の埋設物があった高さまで埋められてライフラインを直したのち、さらに表面を埋め戻しする作業、そして、道路舗装や白線がひかれ、信号が立てられる作業。

 そして、最後には通行止めが解除されて、人や車が通行する様子までの一部始終を、その現場へ訪れることなく、ネットを通じ、リアルタイムにこの定点ライブカメラで見ることができました。

 NHK NEWS WEBが独自にストリーミングしたこの定点ライブカメラは、事故そのものの大きさを伝えるだけでなく、その事故の後「どのように本来の元通りの姿へなっていくのか?」という復旧までの一部始終を、一般の人も見守ることができる「復旧までの過程の可視化」として伝えられたのではないでしょうか。

11月9日10時06分頃の様子(NHK NEWS WEBライブ映像より)

11月14日18時32分頃の様子(NHK NEWS WEBライブ映像より)

11月15日3時48分頃の様子(NHK NEWS WEBライブ映像より)

11月15日18時57分頃の様子(NHK NEWS WEBライブ映像より)

 今回のように、大きな事件・事故をきっかけで、テレビメディアが現地に定点ライブカメラが配置したこの他の事例として、福島第一原子力発電所事故でJNNが放送用高感度HDカメラを用いてライブストリーミングを行なった「福島第一原発情報カメラ」もまだ人々の記憶に残るところです(残念ながら配信は停止となっており、現在は東京電力のWEBサイト上で福島第一原子力発電所の様子を見ることができます)。

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