ブロガーやユーチューバー、ライターでもいいですが、フリーランスや起業するときに必要なことって結構あります。たとえば、アイディアとか熱意とか…。でも今回は、サービスやプロダクトの話ではなく、フリーランスな人が必要な10のポイントについてピックアップしてみたいと思います。
1)金額交渉をする人
僕もそうですが、自分の労働成果に値段をつけたり、金額交渉するのは苦手です。でも考えてみると、企業でも開発者と営業担当は別ですし、タレントにはマネージャー、芸術家には画廊があります。そんなふうに、他人が値段交渉したほうがスムーズにいくことが案外あります。「アート系/クリエイティブ系は料金を叩かれやすい」なんてツイートも見かけますが、そんな人はビジネスパートナーを探してみるのもいいかもしれません。
2)賞味期限に敏感になる
賞味期限と言ってもコンビニで売っているプリンのことじゃありません(笑)。提供するプロダクトやサービスなどの価値が、クライアントにとってどれくらいの期間維持されるかっていう話です。サービスやプロダクトとトレンドの関係や、もし、自分のサイトを外注するなら「どれくらいの期間使うのか?」にも目を向けておかなければなりません。
3)自分を盛りすぎない
自分の業績などを盛ってる本人は気がついていないかもしれませんが、他人から見るとバレてることって意外にあります(笑)。フリーランスの詐欺師になりたいのなら話は別ですが、プロフィールや業績の詐称は、それが原因でフリーランス生命が即死する事態にもなります。自分にとってもクライアントにとっても一番大事なことは「今、何ができるか?」です。
4)ウソはすぐばれることを知っておく
ネット時代、大容量記録時代のおかげか、ブログ、ツイッターなどのSNSなどだけでなく、インタビューやマスコミ取材などにおけるウソはほぼ必ずバレます。炎上すれば、ネットユーザーによる検証は数時間~数日ほど。もちろん、必ずしも初志貫徹である必要はありません。思想や主張が変わるのは、ある意味しかたありませんが、スペックや事実関係を都合よく変えてしまうと信用を大きく失うことになります。
5)人間関係を吟味する
子供の頃、親や大人に「友達を選びなさい」と言われ、反感を持った方も多いかもしれません。筆者もそのひとりです。しかし、今思うと、かなり的を得たアドバイスかも…。現代風に説明するなら「炎上の飛び火をできるだけ避ける」と言ったほうがイメージしやすいかもしれません。
6)トンデモな言説に影響されない
「放射能も除去する〇〇菌」などはもちろん、書店のビジネスコーナーでよく目にする「相手をコントロールする系」の書籍にも注意が必要かもしれません。その効果には僕は懐疑的です。もし万が一、仮に効果があったとしても、顧客やクライアントの選択の自由を奪うって、かなり明白な道徳違反だと思っています。まるで、眠り薬を飲ませて契約書にサインさせちゃうみたいなもの。あとで手痛いしっぺ返しを受けるはず。
7)自分の選択肢を知っておく
起業しはじめでは、フリーランスの選択肢は「その仕事を受ける/断る」くらいしかありません。実績を上げたり、評判が上がるにつれ、プロジェクトに関わったり、インタビュー取材があるなど、自分の発言するシーンも増えていきます。
また、不利益な立場に置かれそうになった場合に備え、頼りになる法律や監督官庁をあらかじめ調べておきましょう。もちろん、「そうした権利を行使するか?」はクライアントとの関係に影響するので慎重に考える必要があります。しかし「知っている」と「知らない」では選択肢の幅は大きく変わります。
8)せめて2手先までの想像力
先日、出展作品が炎上し、お子さんが亡くなった痛ましい事件がありました。もし出展者や主催者が「材料が燃えやすい環境かも」「その結果、けが人や死亡者が出るかも」「自分に責任があるかも」などが想像できたら、あの悲劇は避けられたはず。
どんなときも、それが起きる可能性とその結果を想像し、確率と被害の大きさを事前に想定し対策を立てておくことが肝心です。そうしたリスクを想像できるチームを持ちづらいフリーランスの場合は、せめて2手先ぐらいは想定しておく必要があります。
9)コスト感覚
事業が失敗に終わってしまう1番の理由は「コスト」です。時間など、他の資産も大切ですが、とくにお金が重要であることへの異論はないでしょう。仕事用の機材や設備を導入するにしてもどれほどの効果があり、1年あたりいくらかかるのか、耐用年数や維持費ならすぐに計算できるはずです。
10)スタイルのセンス
高価な服や時計を身につけろとは言いませんが、SNSに写真を投稿するにしても、名刺を作るにしても大切なのは審美眼。もしかしたら「デザイナーに外注するから審美眼はいらない」と誤解されるかもしれません。しかし、スタイルのセンス、つまり審美眼がなければデザイナーを選ぶこともできませんし、複数のドラフト案から選ぶこともできません。ダサいよりクールなほうが仕事も獲得しやすいので、フリーランスには結構重要なポイントです。
前田知洋(まえだ ともひろ)
東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。
著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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